2020年に開催される東京五輪の招致スピーチで、フリーアナウンサー・滝川クリステル(37)がプレゼンし、流行語大賞にもなった「おもてなし」ソングが30日、楽曲配信サイト「iTunes」などで約200か国に世界配信された。

 島倉千代子「人生いろいろ」、天童よしみ「珍島物語」、ゴダイゴ「ガンダーラ」などを手掛けた音楽プロデューサー・山田廣作氏が作詞作曲。すでに7月に「おもてなし」というタイトルでリリースされているが、世界配信を前に、このほど“英語バージョン”が制作された。

 山田氏は「相手を気遣う“おもてなし”の心は日本人の美徳。世界中でこの言葉が評判になっている。

 海外から観光に訪れる人が増え続けているし、宿泊先などで日本のおもてなしに触れ、感動した話もよく聞く。もっと世界へ伝えて観光客が増えるようにと思って、英語バージョンを作った。日本人にも幅広い世代、特に子供たちに聴いてもらって、改めておもてなしの大切さも感じてもらえたら」と話した。

 サビでは「おもてなし」を連呼。日本の風情を象徴する歌詞がちりばめられ、子供から大人まで踊れ、口ずさめるキャッチーなメロディーに仕上がっている。

 おもてなしについて、研究&推進活動を全国各地で行っている一般社団法人「日本おもてなし推進協議会」も同曲を公認。古川智子理事長は「気持ちが明るく前向きになる楽曲で、とにかく歌詞が素晴らしいです。東京でオリンピックが開催されるにあたり、おもてなしが世界共通の言葉として認識される上で、大変意義のある楽曲だと思います」と期待を込めた。

 日本政府観光局の統計によれば、今年1~7月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同期比46・9%増の1105万8300人に達した。政府は「20年に2000万人、30年に3000万人に増やす」という目標を掲げる。“おもてなしソング”がその一助となる?