女優・中村玉緒(76)が18日、大阪市内で出演映画「ポプラの秋」(19日公開)の取材会を開き、亡夫・勝新太郎さんとの思い出を語った。

 同作は、人気子役の本田望結(11)が父親を亡くした少女役で主演。天国に手紙を届けることができるという「ポプラ荘」の大家のおばあさんと心を通わせて成長する物語で、玉緒は大家のおばあさんを演じる。

 役柄にちなみ、生前の勝さんとの手紙のやりとりを振り返った玉緒は「夫婦ゲンカをしたら別れそうになるから、腹が立つときは手紙で伝えていました」と懐かしそうに明かす。豪放磊落な性格で有名だった勝さんに、「早く借金を返して。明日、食べていけないから」という内容の手紙を書いたこともあったという。しかし、勝さんからは返信はなく「できないものはしょうがない」と言われただけだったと笑顔で振り返った。

 勝さんが亡くなって18年が経過したが、玉緒の思いは変わらない。

「誰かからラブレターを欲しかったですね。主人もくれなかったし」とボヤキながらも、天国へ持って行きたいものを問われると「主人に会いたいと思うだけ。主人が天国にいるか地獄にいるか分かりませんが…」と玉緒らしくジョーク交じりに語った。勝さんが地獄にいたらと重ねて質問されると「地獄の方へ行きます」と間髪を入れずに答えた。

 また、共演した本田については「NGは私ばっかり。しっかりやっていた」と演技の才能を絶賛。今も練習を続けるフィギュアスケートでの大成も期待する玉緒は「お遊びではなく、真剣に続けてもらいたい。両方、成功してもらいたいですね」と話した。