日光さる軍団にもデザイン騒動

2015年09月22日 10時00分

新生「日光さる軍団」の村崎太郎氏

 2020年の東京五輪公式エンブレムのパクリ騒動で注目を集める「デザイン問題」が、今度は“お猿の聖地”で勃発した。舞台は今年4月に再オープンした栃木・日光市のテーマパーク「日光さる軍団」。そのチケットなどのデザインを手がけた男性デザイナーA氏がデザイン料の未払いがあるとして17日、運営会社「おさるランド」にデザインの使用差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請した。双方は著作権所有と、未払い金の額500万円と120万円の争いを展開している。

 ウッキキィ~!とお猿たちの悲鳴が聞こえてきそうなガチバトルが起きた。

 A氏の代理人弁護士によると、A氏は「日光さる軍団」のチケットなどのデザインを担当したが「おさるランド」から支払われるはずの代金の未払いがあるという。デザインを使った土産品なども販売されており、著作権侵害を主張している。

 同テーマパークは、人気演目「お猿の学校」の“名物校長役”間中敏雄氏が率いた「日光猿軍団」を閉園(2013年)後に引き継いで、今年4月に復活再オープン。「反省ザル」で一世風靡した猿回し師・村崎太郎氏(54)が運営している。

 この争いは17日の一部報道で表面化。村崎氏は同日、本紙の取材に「当社とA氏、双方が弁護士を立てて交渉している段階で今回の報道が出て遺憾です。仮処分申請の事実は報道各社からの問い合わせで知りました」と憤る。

 争点は(1)未払い額の開き(2)著作権の所在――の2点だ。

 まず、未払い額について村崎氏は「デザインの着手金はお支払いしました」と話し、一部支払いが残っていることは認めた。ただ、関係者によると「双方が主張する未払い金の額に大きな開きがある。A氏は500万円を要求しているのに対し、村崎氏側は『それは高すぎる!』と120万円としている」という。380万円の溝を埋める最中に、仮処分申請の事態に発展した。

 次に、A氏が主張している著作権についても、村崎氏は「こちら側にある」と反論する。

「たとえば『日光さる軍団』の公式サイトに掲載されているお猿のキャラクターの原画は、当社の女性猿回し師・ゆりあ(36)が手がけた。それを基にA氏が加工したものが、公式サイト上に掲載されています。著作権は当社にあると考えます」。つぶらな瞳で2頭身の頭でっかちなお猿のキャラクター(名前は特にナシ)は、土産品などで使われているという。

 著作権に詳しい法曹関係者は「このキャラクターに限って言えば、ゆりあさんが描き、A氏が加工してできた作品のため『二次的著作物』とされる。この場合、著作権は両者にある」と語る。つまり、「一次」のゆりあ、「二次」のA氏の双方に著作権はあるとの見解だ。

 村崎氏によれば、A氏とはもともと初対面で、今回初めて一緒に仕事をした。「A氏とは知人の知人を介して知り合い、今年1月からデザインの手伝いをしていただくことになった」という。

「村崎さんとA氏は、初対面で遠慮したのか、著作権に関して細部にわたってきちっと書面で契約を交わしていなかったのでは!? だからややこしくなった可能性がある」と前出の法曹関係者。

 今回のトラブルによってテーマパークの営業に影響が出ることはないという。未払い金については、今後の話し合いで折り合いがつけば解決しそうだが、お猿のごとく顔を真っ赤にしてバトルをするのは避けてほしいものだ。