大阪の人気テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」運営会社の保有株の一部を、米ケーブルテレビ大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサルが、ゴールドマン・サックスなどから買い取る交渉に入ったことが明らかになった。

 USJの人気はこの数年うなぎ上りだ。日本旅行広報室によれば「円安の影響で、最近は海外よりも国内観光の需要が伸びているのですが、中でも西日本をけん引しているのがUSJです。九州、中国、四国、北陸、中部、そして関東まで広い範囲のお客様を集め、さらに外国人観光客も取り込んでいます。観光、集客面でいまやUSJは西日本のシンボル的な存在。明らかに大阪は元気になっています」という。

 実際に年間入場者数を見てみると、2012年度の975万人から、13年度1050万人、14年度1270万人と大幅に増やしており、絶好調。

「特に昨年7月に『ハリー・ポッター』エリアが開業したことで加速がついた」という。その結果、USJ人気と外国人観光客増加の影響で、大阪だけでなく京都、神戸までホテルが取れない事態が続いている。

 一方、本家「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」を持つNBCユニバーサルがUSJ株を取得した場合、気になるのが「ハローキティ」や「ONE PIECE」「妖怪ウォッチ」など日本独自で進めていた路線がどうなるかだ。これらの日本の人気キャラクターはUSJの入場者増に確実に貢献してきたが、米国企業の支配力が強まることで、独自のカラーが消されていくのはよくある話。子供にとっても先行きが気になる出資となりそうだ。