俳優・奥田瑛二(65)が12日、都内で行われた主演映画「赤い玉、」の初日舞台あいさつに登場した。

 オブラートで包むことでしか性表現できなくなっている現代の映画界で、あえてエロスに挑戦した意欲作。奥田はメガホンをとった高橋伴明監督(66)と「エロスが足りない」などと熱い議論をかわしたという。

 主人公の映画監督役を演じる奥田は、濡れ場の撮影に前張りをせずに臨み「スッポンポンで演じた」と胸を張る。

 そのウラには、役者として駆け出しだったころに経験した、さびし~い思いがあるという。

「デビュー作で前張りをしました。当時はガムテープ。夜11時くらいに控室で1人ではがしたんだけど、半分くらいしか取れなくて、ハサミで切った。切なくなったんです。前張りはしないほうがいいと思った」

 ベッドシーンでは文字通り体当たりで、煩悩に惑わされることなく芸能界随一と噂される“息子”が暴走しないよう制御しているわけだ。

 息子といえば、同作では、俳優で義理の息子でもある柄本佑(28)と共演。柄本の好演を目の当たりにして「うれしかった」と目を細めた。

 その柄本も「ベッドシーンがあまり隠れていると、ガッカリしてしまう」とエロス作品が少なくなったことを嘆く。さらに「性表現があまりに少ない気がする」と映画人として義父の奥田に同調した。