今年のクリスマス商戦は大人も楽しめる!? おもちゃ業界は、すでに年末を見据えている。2日に玩具メーカー47社と流通関係者が商談を行う「クリスマスおもちゃ見本市2015」が東京・台東区の都立産業貿易センター台東館で開幕した。子供のためではなく、自分が欲しくなってしまうような最新おもちゃ事情とは――。

 少子化が止まらないとはいえ、昨年は「妖怪ウォッチ」と「アナと雪の女王」という大ヒットコンテンツによって、店頭価格ベースで前年比109%(市場規模は7360億円)と過去10年で最高の売り上げを記録。今年も業界関係者の鼻息は荒いが、注目株は何なのか?
 大手メーカーの開発担当者は「男の子向け商品としては、50年ぶりに新作の放送が始まった『サンダーバード』、それから12月に映画の公開が予定されている『スター・ウォーズ』関連が最もアツいですね。どちらも今のお子さんにはなじみが薄いので、まずはお父さんから率先して盛り上がってもらおうと各社とも得意ジャンルで勝負しています」と語る。

 タカラトミー(東京都葛飾区)の「トミカ」シリーズはその一例。今後は多くのメーカーがスター・ウォーズ関連商品を投入するという。
 一方、当初は期待されていたのに雲行きが怪しくなってしまったのが、ハイテク型おもちゃに分類されるドローンだ。

「もちろん法律に抵触するものではありませんが、一連の事件の影響でイメージが悪くなり、クリスマスに買い与える親御さんがいるかどうか…」と担当者の顔色は冴えない。

 まだまだ準備するには早すぎるが、忘年会の宴会芸に使えそうなおもしろ新商品も発見した。

 タカラトミーアーツ(同)の「ドデカヘッド」は空気を入れる画期的なかぶり物だ。

「使いたいときに空気を入れるだけ。カツラやマスクのようにかさばらないので、通勤カバンにも入りますよ(笑い)。忘年会だけじゃなく、近年盛り上がりを見せるハロウィーンでもヒットするのではないでしょうか」(同社アソシエイトマネジャーの金子俊介氏)

 誰もが一度は目にしたことがある馬面マスクを販売する株式会社アイコ(東京都足立区)からも新作「流星」や、来年の干支(えと)に合わせて「子ざる」が新登場している。

「昨年、流星のある馬がとても強かったと聞いたので、サラブレッドの種類を増やしたんです。干支シリーズは毎年やっているもののヘビとかは反応がイマイチなんですよね。でも、10月上旬に発売するサルは“鉄板”だろうと期待してます(笑い)」(同社の園部純社長)
 流星の大きさと鹿毛から判断して、現役時代にロンジンワールドベストホースランキング1位になったジャスタウェイがモデルとみて間違いない。

 そのほかにも、砂や石で水の流れを再現する「枯山水ジグソーパズル」(ビバリー)、小さいながらも本格的なドリフトが楽しめるラジコン「ドリフトパッケージナノ」(タカラトミー)など中高年が欲しくなるような新商品が続々と誕生してる。

 普段はあまり足を運ぶ機会のない玩具売り場に足を運んでみると目からウロコかもしれない。