舞台で活躍する女優が全裸遺体で発見されるという、何ともショッキングな事件が起きた。東京都中野区弥生町のマンションの一室で26日夜、劇団女優で居酒屋アルバイト店員・加賀谷理沙さん(25)が全裸遺体で発見された。周辺住民によると、加賀谷さんは7月にも30代後半くらいの男と部屋でトラブルとなり、警察が駆けつける騒ぎが起きていた。事件との関連はあるのか――。

 無残な姿の加賀谷さんが発見されたのは26日夜のこと。

 勤務していた新宿駅近くの居酒屋を前日に無断欠勤したことを不審に思った店長らが自宅を訪れたが、応答がなく連絡もつかなかったため警視庁中野署に通報。玄関先で全裸であおむけに倒れている加賀谷さんが発見された。

 首にはひも状のもので絞められた痕があり、顔はうっ血していた。それを隠すかのように、顔にだけタオルケットがかけられていた。

 玄関や窓は施錠されており、室内に荒らされた形跡はなかった。司法解剖の結果、死因は頸部圧迫による窒息死で死後1~2日経過しているとみられる。

 階下の住人は「25日の夜、酔っ払ってよろめいているような足音や異常なドスンドスンという音が聞こえた。時間にして30分間くらい続いた。上の階まで行って玄関に耳を当ててみると、女性の倒れ込むような音と『うー…何で…』といううめき声が聞こえた。男の声はしなかった」と証言。

 この住人は「酔っ払っているのか」と思い通報しなかったという。

 これが事件の際の物音や声なら、犯人は息を殺して加賀谷さんの部屋に潜んでいた可能性もある。

 部屋の鍵がかけられていたことから、加賀谷さんの部屋を自由に出入りできる浅からぬ関係の人物と考えられる。

 7月にも、加賀谷さんが年上男性とトラブルになっていたことを複数の近隣住人が証言。前出の住人によると「7月中旬ごろ、朝8時くらいから食器が割れる物音や、女性の『もう帰って』と泣き叫ぶ声が聞こえて、110番通報したんです。警察が来て、やっと出てきた男の人は30代後半くらいでした。少しロレツが回らない感じで『劇団員』と名乗ったと聞いた」。

 この“トラブル男”をもっと間近に目撃した住民もいる。

「女性の『やめて!』と叫ぶ声が聞こえて、しばらくすると警察が男を連れて出てきた。男は激高して『うっせーんだよ』と警官に絡んだり、マンションの前でいきなり立ち小便をしようとしたり、酔っ払っているのかクスリをやっているんだかフラフラしていた」

 加賀谷さんは、築20年の家賃6万円のワンルームに一人暮らし。劇団女優をしながら居酒屋でホールスタッフとして深夜バイトをしていた。劇団解散後も9月には別劇団の舞台に出演する予定で、8月はまさに稽古漬け。女優として生きるためには、きつい深夜バイトもやむを得なかったのだろう。近所の人は「明け方帰ってくるのか、朝6時台にベランダでたばこを吸っているのを時々見た」という。

 小柄な美人だったが、「おとなしいというか少し暗い雰囲気だった」という。「窓を開けっぱなしでケンカしていた。普通、世間体を気にして窓を閉めるけど、いざという時に助けを求められるように開けていたんじゃないかねえ」と住民は気の毒がっていた。

 前述した“トラブル男”が事件に関与しているのかどうかは、まだ分かっていないが、一日も早い犯人逮捕が望まれる。