俳優・加山雄三(78)が散歩人を務めるテレビ朝日の「若大将のゆうゆう散歩」が9月いっぱいで終了し、高田純次(68)が3代目を引き継ぐことになった。約3年間、加山は散歩を続けたが、この交代劇の裏側には、やむを得ないとも思われる不協和音があった。

 2012年に心不全のため亡くなった俳優の地井武男さん(享年70)が、2006年からライフワークのように作ってきた「ちい散歩」の後番組としてスタートしたのが「ゆうゆう散歩」。ただ、加山の散歩ぶりはスタートからうまくはいかなかったと言われている。

「一番大きな問題はスタッフとの溝。とにかく加山はスタッフの言うことを聞かない。自分が散歩しながら興味を持った店に入るのが番組の基本スタイルなんですが、そこを軽視しているというか、あからさまにディレクターに聞きながら店に入っていく。しかも、一般人との関わり合いを極力、避けようとするんですよ。究極の難点は、歩くのが嫌いなこと。すぐに疲れたと言ってはロケ車にこもってしまうんですから」(事情通)

 加山の態度や、番組の雰囲気の違いは、やはり視聴者離れを加速させたという。

「加山のお殿様的な上から目線が見え見えで、時には不愉快な気分になることも。視聴率も『ちい散歩』と比べると明らかに落ち込んでいた」(同)

 さらに追い打ちをかけたのが「ギャラ問題」。

「どこもかしこも制作費は厳しいのがいまのテレビ局ですが、コストパフォーマンスが悪すぎる。加山さんのギャラは2本撮り(1日で2回分の収録をすませる)して元が取れる計算なんですが、それもやらないから制作費的にも元が取れない。交代、打ち切り話が早々に出回っていたので、時間の問題だった」(某放送作家)

 散歩モノは「ブラタモリ」(NHK)などのように、ハマれば局のキラーコンテンツとなる。ブームのきっかけを作ったともいわれるテレ朝としても巻き返しが期待されるところだ。