高知市で大人気「パンダおばさん」の正体

2015年08月14日 10時00分

パンダおばさんは行く先々で写真撮影を頼まれる

 ゆるキャラの王者は千葉県船橋市のふなっしーで、茨城県のねば~る君が人気急上昇。両者の共通点は「非公認キャラ」だが、高知県高知市で活躍する同じ非公認キャラの超人気者を発掘した。高知の夏の風物詩「よさこい祭り」の本祭が行われた11日、パンダのマスクをかぶり、子供たちに折り紙で作った手裏剣を配っているゆるキャラが出没したのだ。いまや地元では「パンダおばさん」と呼ばれ、大人気だという。その正体に、お笑い芸人のコラアゲンはいごうまん(45)が迫った。

 よさこい62回目となる今年は205チームが参加。12日までの4日間、鮮やかな衣装をまとった約1万8000人の参加者たちが、商店街などを会場に、華やかな踊りを繰り広げている。

 そんな中、パンダおばさんから手裏剣をもらった女子中学生は「キャ~ッ」。小学生たちは我先に走り寄って「手裏剣くださ~い!!」と手を出して囲む。よさこい真っただ中でも大人気だ。

 コラアゲンは「パンダおばさんは40~50代でパンダ歴5年。『きっかけは町おこしです』と言っていました」と説明する。

 2009年度、高知県の1人当たりの県民所得は201・7万円と全国最下位となった。統計が発表されたのは12年のこと。

「そのニュースを知ったパンダおばさんが、どうすれば人が集まるのか考えていたとき、観光客が『高知城に忍者がいたらおもしろいのに』とつぶやいているのを聞いて、忍者の格好をしようと思ったんです。顔をどうしようか悩んで、なんとなく日本人の誰もが好きなパンダにしたということでした」とコラアゲン。

 衣装、マスクは手作りで、費用はパートで稼いだ蓄えから出した。折り紙製の手裏剣には、ラインストーンを50個ほどデコレーションするので、ひとつ作るのに10分以上かかる。今回用意した120個はあっという間になくなった。

 10年の日曜市(毎週日曜日に高知市で行われる青空市)に初登場したパンダおばさんに対し、市民の目は冷たかったようだ。

「危ないおばさんがいる!」と思われたようで、母親が子供の手を引っ張って逃げていく。手裏剣を渡そうとしても、誰ももらってくれない。

「それでもコツコツとやり続けたら、女子中高生の間でジワジワ人気が出たそうです。芸能人のような人気ではなく、友達感覚の有名人という感じですね」(同)

 以後5年間、ほぼ毎週、パンダおばさんとして活動を続けている。

「これまで4万人以上に手裏剣を渡してきたということです。最近は女子高生の間で“幸せを呼ぶ手裏剣”と言われているほど大人気。手裏剣をもらった受験生が合格したり、不妊治療していた奥さんが妊娠したり、出馬した議員が当選したとかいろいろラッキーなことがあるそうです」(同)

 そんなうわさは県外にまで広まり、パンダおばさんに会うため、わざわざ遠方から来る人もいるという。念願の“町おこし”に貢献することができているようだ。

「そんなパンダおばさんは、人前で平気でマスクを脱いじゃうんです。顔は、コミカルな演技も得意な女優さんにそっくりでした」とコラアゲン。

 できれば人前で素顔をさらさずミステリアスなままの方がよさそうな気もするが…。