肺炎のため5日に亡くなった喜劇俳優の花紀京さん(本名・石田京三=享年78)の通夜が6日、大阪市内の斎場でしめやかに営まれた。

 花紀さんは2002年8月に脳腫瘍の摘出手術を受け、03年5月には自宅で入浴中に低酸素脳症で倒れて入院。その後、長期療養していた。3日ほど前に呼吸が荒くなり、5日に容体が急変。そのまま帰らぬ人となった。最後は花紀さんの妻がみとったという。

 通夜は近親者による家族葬だったが、多くの芸人も参列した。吉本新喜劇の現座長である内場勝則(54)、辻本茂雄(50)、川畑泰史(48)、すっちー(43)や、新喜劇座員のチャーリー浜(72)、間寛平(66)、池乃めだか(72)、未知やすえ(51)ら約100人が花紀さんに最後の別れを告げた。

 花紀さんの弟子だった寛平は「もう1回、兄さんの芝居が見たかった」としのんだ。花紀さんは芸に厳しく、普段の生活態度にも厳しかったため「すっごい怖かった。なんか分からんけど、よう怒られた」と振り返り、「新喜劇の芝居は味と間やで」とアドバイスされたことも明かした。年に2~3回は見舞いに行っていたそうで「今日の顔は倒れたときと変わらない顔でした」と寂しそうに話した。

 落語家の桂文枝(72)は「また仕事しよなと言われたときの笑顔が忘れられない。残念です」と語り、付き人をしていた内場は「今までの歴史を潰さないように頑張りたい」と新喜劇の基礎を作った花紀さんにさらなる発展を誓った。