自局の有力スポンサー「ABCマート」の創業者から1億7000万円の無利息融資を受けるなど、利益供与疑惑が今春に持ち上がった日本テレビの上重聡アナウンサー(35)が、自身の野球人生を振り返った著書「怪物と闘ったPLのエース」(竹書房)を出した。

「壁と挫折の連続だった私の野球人生」という副題のついた同書は3日発売。上重アナは大阪・PL学園の投手として1998年春、夏の甲子園に出場した。同書には、同年夏、延長17回となった準々決勝で投げ合った松坂大輔(ソフトバンク)との特別対談も掲載されており、高校野球ファンならずとも楽しみな内容。だが、金銭スキャンダルのためか、本の宣伝はままならないという。

 出版社の担当者は「本人は『いくらでも宣伝したい』と話しているが、囲み会見をやれば、その(疑惑報道の)話になるのは目に見えている。著者がさらし者になることは避けたい」と会見は一切予定していないと語る。

 司会を務める情報番組「スッキリ!!」でも自著の宣伝はしていない。

「利益供与の報道後、抗議電話が殺到したため、番組で謝罪はしたが、自らの口で事情説明もしていないのに、自著の宣伝をすれば大バッシングになりかねないということなのでは」とは同局関係者。

 日テレは口頭注意だけで、上重アナを続投させた。7月には“ズブズブ”の関係のABCマートが従業員の過重労働で摘発された。
「スッキリ!!」ではメーン司会の加藤浩次(46)が夏休みに入り、進行を任されている最近の上重アナは「画面越しにも分かるほど表情をこわばらせ覇気をなくしている。イメージ回復の機会を逸したままですね」(同)。視聴率も当然のごとく下がっている。

 本の出版は「日テレが仕掛ける上重のイメージ挽回キャンペーンの一環じゃないの?」と勘繰られているが、前出担当者は「出版は昨年秋に決まっていた。6月まで執筆し、甲子園開幕に間に合わせての発売になりました」としている。