日本最大級のマスクの祭典「TOKYO MASK FESTIVAL vol.1」が1日、都内で開催された。

 マスク、覆面、仮面、かぶりもの、着ぐるみ、ヘルメット、オブジェクトヘッド、異形頭、甲冑、プロテクター、ゴーグルなど何でもありのイベントに、多くの“仮面愛好家”が集結した。

 トークイベントには、地下アイドル・仮面女子(アリス十番=桜のどか、立花あんな)、仮面作家・坂爪康太郎氏、福田寛之氏(ブリコラージュ研究所)が参加した。

「インパクトを与えたい」と、アリス十番がアイドルの命でもある素顔を隠す仮面アイドルとして活動をスタートさせて約4年。「最初は自分じゃない自分になれるのが魅力だと思いましたが、視界が悪くなって自分の立ち位置が分からなくなったり、視野が狭くなるので隣のメンバーとぶつかったりした」(のどか)、「顔が汗だくで、息苦しかった」(あんな)と苦労も多いようだ。

 それでも仮面ユニットはスチームガールズ、アーマーガールズと増殖。第3の仮面ユニットであるアーマーガールズの仮面を製作した坂爪氏は「アーマー(甲冑)と聞いていたので、よろいっぽいデザインをチョイスしました。ライブ中にマスクを着けたり外したりするので、どれだけ軽くして、壊れにくくなるようにと苦労した思い出がある」とコンセプトを明かした。

 もちろん、苦労ばかりではない。のどかは「仮面から見える目だけで感情を伝えなくてはいけないので、表現力が上がります」。あんなも「どんなにたくさんの人がいる前でも、仮面をかぶっていれば自信を持ってステージに立てる。今は、素顔を出したときの表情の使い分けをきっちりするようにしています。後ろを向いていて、ファンの方に顔が見えないときでも笑顔でいることを心がけているので、仮面をかぶる直前まで笑顔でいる」と話した。

 坂爪氏によれば「人は顔で感情を表すことが多い。だから仮面で顔を隠すと体全体に視線がいくので全身で演じなければいけない。顔でごまかすことができなくなる」。のどかとあんなは苦労を乗り越えて、しっかり演じているようだ。

 また、あんなが「(センターの)赤仮面は色を塗っただけなので、ライブを重ねているうちに色が落ちてくるんです。だから自分で色を塗り直し、大事に使っています」と明かすと、坂爪氏は「仮面に命が宿るという考えもあるんです。そういうふうに使ってあげるのは正解です」。これにあんなは「これは一生の宝物。お墓まで持っていきます」と笑みを見せた。

 ジェイソンマスク、ガスマスク、鉄仮面に続いて登場が期待される第4の仮面ユニットは「コンセプトが未定」(のどか)だという。

「どんなマスクをかぶりたいか?」という問いに2人はスケッチブックに予想図を描いて回答。あんなの「バリ島の仮面」に、坂爪氏は「バリ島仮面なら僕が作ります」と即答。のどかは「美少女になれる仮面」を描き会場のファンを笑わせた。果たして「第4の仮面女子」はどんなコンセプトになるのか。