キムタク映画で「フジVSテレ朝」“戦闘モード”に突入

2015年08月02日 10時00分

テレ朝(左)とフジ。両局で仕事をしている木村は何を思う?

 SMAP木村拓哉(42)の主演映画「HERO」劇場版第2弾をめぐって、フジテレビとテレビ朝日が“戦闘モード”に突入したという。7月18日に公開された同作の舞台裏で、製作に携わったフジの独自プロモーションがとんでもない争いの原因になっている。フジ以外での取り扱いを制限したために他局が猛反発。中でもテレ朝は“そっちがその気なら”とばかりに情報番組で「他局製作の映画宣伝NG!」との強硬指令を出したからさあ大変。フジとテレ朝の対立が始まっている。

 フジは7月開始のドラマが軒並み不調。看板の“月9”枠で先月20日に始まった「恋仲」が第1話で9・8%と、月9史上最低の1桁発進となった。2話も9・9%と2桁に届かなかった。

 そんな状況で唯一の希望となっているのが劇場版「HERO」だ。公開直後の2日間の週末興行ランキングでは観客動員54万人、興行収入は約7・3億円で、今年公開の実写映画のオープニング動員トップを記録。2週目に入って観客動員は少し落ちているが、それでも興行収入は20億円に達している。

 ご存じ、SMAP木村が検事役で主演する人気ドラマシリーズの映画版2作目。製作に携わるフジは公開初日まで試写会を行わず、各メディアへの資料配布も制限し、極端に自局の商売に特化した。

 関係者によれば「公開に合わせ、キムタクをはじめ出演者たちが生番組などに登場、とのサプライズで劇場へ足を運ばせる独自戦略のためだった」というが、その独善的なメディア対応がテレビ業界で物議を醸している。

 フジ以外の民放局の某情報番組プロデューサーが眉をひそめて語る。

「キムタクが出る映画なら、これまでは他局製作であってもウチは取り扱ってきました。でも何を血迷ったか、フジが自局のみで囲うようなことをしてきたので、ウチでも一切『HERO』に関する話題は扱わないことに決めました」

 そんな折も折、テレ朝で情報番組を統括する役員が7月に入り「他局が製作する映画の宣伝は控えるように!!」と各情報番組に通達を出したという。これを聞いた他局の情報番組関係者の間では「テレ朝も!?」と波紋が拡大した。さらにこれがフジの怒りも買ったというからもはや“抗争”だ。

 フジの情報番組幹部は「ひどい話だよ。これまでは暗黙の了解で適度に宣伝し合ってきたのに、テレ朝は『他局絡みの宣伝はするな!』と露骨な号令をかけた。他局製作の映画を宣伝することはライバル局の手助けになってしまう。そのあたりはウチでも各番組が抑えめにしながらも、完全無視はしないで適度にやってきた。言わば持ちつ持たれつだったわけだけど、今回テレ朝がそれを打ち破った格好。どこまでその号令が効力を発揮するかは分からないけど、本当に徹底されるなら、ウチもテレ朝関係の映画や番組は一切無視せざるを得ないよ」と憤る。

 各局の情報番組では、広告代理店やPR会社などからの営業を受け、新作映画のプロモーションを兼ね、トピックスとして取り上げる。近年、落ち込みが激しい洋画と対照的に興行収入を伸ばしているのがテレビ局製作の邦画で、自局での大宣伝が功を奏している。

「HERO」のように、連ドラの映画化といった連動も目立つ。これまでは、話題作なら他局でも多少は取り上げ、共存共栄の図式があった。そもそもそれを壊した責任はフジにあるという指摘も。

「フジのヒステリックなやり方に、各局の反発は必至です。でもテレ朝のように、他局のものをすべてNGとするならば、お互いの首を絞め合うだけになる」と前出プロデューサーは指摘する。

 現時点ではテレ朝の“大号令”に対して他局からは「テレ朝がとんでもない命令を出したようだ」との声が上がる。今後、民放局同士が本格的に対立するとなると、映画イベントなどの取材現場は他局が取材に行ってもかなりギスギスしたものになりそう。今後はテレビ局同士の“仁義なき戦い”が本格化するかもしれない。

(視聴率は関東地区、ビデオリサーチ調べ)