連続昏睡強盗の“声優のアイコ”こと神いっき被告(31)の被告人質問が27日、東京地裁で行われた。女性として生まれた神被告は、普段は男性の姿で生活し、犯行時だけ“女装”姿で男性に近づき睡眠薬入りの酒を飲ませて金品を奪ったとして5件の昏睡強盗の罪に問われている。

 当初は全面否認していたが「証拠開示資料に、ぼくそっくりの防犯カメラの写真があった。留置場で解離を起こすことがあり、ほかの人格で犯行を行った可能性がある」として一転、罪を認めていた。2011年に暴行未遂容疑で逮捕された際、解離性健忘と診断されて不起訴となった経緯もあり、今回も責任能力を争う構え。

 神被告によると、今年3月ごろに留置場で、突然「げんき君」という4歳男児に豹変してしまったという。公判中も突然「お兄ちゃんは悪くありませんっ」と舌足らずな幼児キャラで絶叫して傍聴席を驚かせる一幕があったが、周囲に指摘されるまで別人格に気づかなかったと主張した。

“アイコ”も別人格の一つのようだ。

「アパートの通路に女性もののバッグが2~3日置かれていて、酔っ払った勢いで開けるとバキバキに折れたサングラスやピンクの帽子、白い手袋に、粉々に砕けた薬が入っていた。怪しい薬かなと思ってバッグごと捨てた」

 また「『飲みに行こうよ』などとアイコあてに3人からメールが来ていた。間違いだと思い返信しなかった」という。

 神被告は昨年12月に出産したが、心当たりは全くないと主張。「8月末に妊娠6か月になるまで気づかなかった。
(性)行為を一切していないし男性ホルモンを打っていたので生理はなかった。(妊娠は)お酒と睡眠薬を一緒に飲んだ時か、人格が変わっていたのかもしれない」

 8月に予定される精神鑑定を前に神被告は多重人格を強調した。