【完全版】歴代助監督が語る「バケモノの子」細田守監督とは<後編>

2015年07月30日 09時00分

「バケモノの子」に秘められた細田監督のこだわりとは?

 映画「バケモノの子」がヒット中の細田守監督。その歴代の助監督を務めた「ソードアート・オンライン」の伊藤智彦監督(「時をかける少女」「サマーウォーズ」助監督)、「ノラガミ」のタムラコーターロー監督(「おおかみこどもの雨と雪」助監督)、そして「バケモノの子」の助監督・青木弘安氏の3人による鼎談。後編では細田監督のマニアックな好みが次々暴露されていく。(WEB担当・徳重辰典)

前編はコチラ

 

 

 

■百秋坊と多々良にまさかの裏設定?

 

――「バケモノの子」ですが分かりやすさの半面、アニメファンからは尖ってないと言われることもあります

 

伊藤:それは細田守がもうちょっと尖がったところに行ってほしかった人たちが、マイルドになってしまったとちょっとした悲しみを込めて言っているんでしょう。

 

タムラ:尖ったところを捨てているわけではないんですが、より多くの人たちに間口を広げた作品を作りたいというものがあるから、どんどん見やすいように置きかえっていっている。

 

青木:百秋坊と多々良がお茶を飲むシーンがあるんですけど、最初は同じデザインの色違いのマグカップだったんです。細田さんが「これ色が違うとホモホモしいよね」と直しを出してました。色の違いは性的役割を示していると。でも、傘の色も違うんで「これ直しますか?」と聞いたら「ま、これくらいは餌まくくらいでいい」と。「多々良と百秋坊というのはあり得る」と言ってました(笑い)。

 

伊藤:ええっ。そこは全然想像していなかった(笑い)。今回だったらセリフの「毛も生えてないのに」だったり下ネタ的なものは毎回ある。時かけの時は「ちゃんとオナってきたのかよ」でサマーウォーズでは「もうやっちゃったの?」。入れたいんだなー、と思って見てました。

 

タムラ:そういえば、おおかみこどもの時は「登場人物がゲロを吐く映画は名作である」って言っていたなあ。雪も雨も吐くし。今回も九太が卵ごはんを食べるところで吐く。

 

伊藤:あとエロじゃないけど、今回は代々木体育館の隣で、ヒロインの楓の横に九太が座って、すごく長回しでパンダウンするシーンがあって。足を見るんだろうかと、ドキドキした。すごく不思議で。一番気になったシーンだったなあ。

 

タムラ:たしかに。細田さんにしては珍しく縦パン(縦のパーン)しているのもあって。やっぱり伊藤さんも気になりましたか。楓ではなく、九太の主観のようなアングルだからなおさら。

 

――細田さんがふとももフェチというわけではないんですか

 

伊藤:そうではないですね。むしろ少年のうなじがと言ってます。

 

タムラ:どっちかというとそうですよね。サマーウォーズでもカズマのうなじありましたね。

 

伊藤:「うなじを描いているとゾクゾクっとするよね」と言われて、この人何言ってんだと(笑い)。

 

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