「女装娘」という不思議な世界

2012年09月24日 18時00分

窪田将治監督

 ゲイでもないのに女性の格好をする「女装娘(じょそこ)」を題材にした異色映画「僕の中のオトコの娘」(12月1日公開)が、先日開催された「第36回モントリオール世界映画祭」で上映され高い評価を得た。性同一性障害でもなくオカマとも違う“不思議な世界”を窪田将治監督(38)に語ってもらった。

 またまた日本独自の不思議な文化が生まれた。3年連続で3作品が同映画祭に出品される偉業を達成した窪田監督は、5万人はいるといわれる女装に目覚めた男たちをどう見ているのだろうか。

「彼らは『私たちは究極のナルシシスト。異性が好きでも、女装のときは誰よりもキレイに見られたい』と話す。女装することで自分の肯定感を高めるんだろう」

 どうやら、現実世界では満たされない“何か”を埋めるために女装するようだ。そんな男の特徴は美化願望が強いこと。

「キレイになりたい欲求が強すぎて、男性ホルモンの分泌を抑えようと金玉を切ったヤツもいた」というからハンパではない。

 子孫は残せなくなるが、美を選ぶ。決断力は男らしさにあふれ、一方で女性よりも女性らしい?

 女性の服を着るきっかけは人それぞれで「女の子の服がかわいいと思った」「姉や妹がいた」などもあるが「女にモテない男が、自分を理想の女に仕立て上げる場合もある」という。

「女装娘は周囲の理解を簡単に得られないことを理解している。特に男性から理解されない。女性はスッと納得する。女装したまま彼女とデートする人もいます」

 複雑極まりない世界だが、カナダでは同性婚が認められていることもあり、映画祭では高評価を受けた。

「『女装なんて考えられない』と否定する男性でも、実は気になってるかも。興味を持ってる自分に嫌悪感があって反発してしまう。一歩踏み出せば何かを感じ取れる。実は女装すると女性にすごくモテる。女装を始めてモテだした人が多い。女装の写真付きメールを撮ってキャバクラに行ったらすげーモテますよ(笑い)。犯罪や薬に走るよりよほど健全」

 窪田監督からのメッセージを実行するかはアナタ次第だ。

【映画のあらすじ】就職先で失敗ばかりの青年・謙介(川野直輝)は自殺未遂を図り、引きこもりになる。
ある日、姉(中村ゆり)の服を着たことで女装に興味を持ち、女装娘としての一歩を踏み出すとともに5年ぶりに家を出る。居心地の良い世界を見つけた謙介だが、家族の理解は簡単には得られなかった。外国でのタイトルは「The little girl in me」。