「第153回芥川賞・直木賞」の選考会が16日都内で行われ、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹(35)の処女小説「火花」が芥川賞に選出された。
 
 北陽高校時代に所属していたサッカー部OBの経営する大阪・摂津市内の焼き肉店「薩摩」で、受賞の瞬間を待っていた恩師3人も大喜びだ。
 
 発表を知った当時のサッカー部の顧問の野々村征武さん(72)は「僕は結構、厳しくやっておったんで、ほめた言葉をほとんど聞いたことないと思う。でも今日は心よりお喜びを申し上げたいと思う。目の前にいたらハグしたいぐらい」と目を潤ませる。
 
 受賞直後に又吉から電話をもらった。

「なんとかやりました」と報告を受けると野々村さんは「お前、泣かすなよ」とテレながら返答。「落ち着いてましたね。僕のほうが興奮していました」と野々村さんは頭をかいたが「今度、会ったらゆっくりとお酒を飲みたいですね」と祝杯を約束した。

 高校3年時の担任だった石神賢一さん(48)は「坊主(頭)で目がギョロっとしていて毛深い、いかつい感じやった」と学生時代の又吉の印象を語る。

 国語の成績はよくなかったというが「国語の力と文章の力は違うんでしょうね」と感嘆した。

 高校1、2年時の担任だった鈴木和宏さん(63)は「(ハンドボール部顧問として)全国制覇したときよりもうれしいかもしれん」と目頭を熱くし、「本当におめでとう。教師冥利につきます」と“孝行息子”の恩返しに感謝した。