演歌歌手の美川憲一(69)が、専属契約を一方的に破棄したとして前所属事務所「エービープロモーション」から約2億円の損害賠償を請求されていた裁判(東京地裁)の判決公判が16日行われ、原告の請求が棄却され、美川側の全面勝訴となった。

 判決公判は双方の代理人がともに欠席し、長谷川浩二裁判長が「原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする」とした判決文を読み上げると、1分もたたずにあっさり閉廷した。

 同裁判は2012年、美川が25年間所属した前事務所から独立した際、衣装や譜面を無断で持ち出し、それを利用して芸能活動を行っているなどとして、前事務所が美川と個人事務所「オフィスミカワ」を訴えた。

 14年7月の囲み取材で示談の可能性を聞かれた美川は「なんで示談しなきゃいけないの。これまで一生懸命やってきたのに向こうが牙をむいてきて」と声を荒らげる一幕も。美川側は裁判所の和解勧告にも「衣装や譜面は返すが金銭を払うことは難しい」と頑として受け入れず、前事務所も「金銭が支払われないのなら和解は難しい」としていた。