大塚家具の「自虐CM」好評ならシリーズ化も

2015年07月15日 10時00分

大塚勝久前会長(左)と長女の久美子社長

 経営権をめぐる父娘対立で話題になった大塚家具のお家騒動が、法廷に舞台を移している。13日、東京地裁で父親の大塚勝久前会長(72)と長女の久美子社長(47)が直接対決した。勝久氏が一族の資産管理会社に社債償還を求めて提訴し、久美子社長が証人として出廷したのだ。一方、大塚家具は今月から新CMを放送中。久美子社長に似たタレントに「父がすいません」と言わせる自虐ネタで話題に。評判がよければシリーズ化もあり得るという。

 大塚家具では勝久氏と久美子社長が経営権をめぐって、株主の委任状争奪戦を繰り広げていた。3月の株主総会では勝久氏が会長を退任する議案が可決。娘の勝利に終わった。

 このお家騒動はニュースで大きく扱われ、宣伝のための「出来レースではないか」との臆測を呼ぶこともあった。

 店舗売上高は5月が前年同期比70%増、6月が約50%増に拡大。4~5月に実施したセールなどの効果もあるとみられるが、“内紛決着”によるイメージアップも寄与した可能性がある。それゆえ「出来レース」も疑われたわけだ。

 ところが、まだ父娘の喧嘩は終わっていなかった。勝久氏は2008年に一族の資産管理会社「ききょう企画」に大塚家具株を130万株売却する代わりに、社債を15億円で引き受けていた。期限の13年4月を過ぎても社債が償還されないとして勝久氏が提訴したのが今回の裁判だ。勝久氏は株の実質的対価として15億円の支払いを求めている。

 また、勝久氏は同企画が保有する189万株の大塚家具株が久美子社長名義に変更されたことにも、無効だと返還を求める訴えもしている。

 紺色のスーツで出廷した久美子社長は「事業承継のためだった。親のためと思ったのに(訴訟になり)非常に残念だ」と語った。原告側にいる勝久氏とは目を合わさず、「原告からの相続対策の一環で、07~08年の家族会議で私から説明した」と証言。これに対して、勝久氏も証言に立ち、「(相続対策とは)聞いていない」と話し、両者の見解は真っ向から対立している。

 久美子社長がハンカチで目元を押さえるほど、法廷でガチンコ対決を繰り広げる父娘の一方で、大塚家具は7月からお家騒動をほうふつとさせるCMを放送して話題になっている。女優の平祐奈(16)が家族と大塚家具を訪れたという設定で、女性店員が平にインテリアについて語りまくる。それに対して父親役の俳優が「語りますねえ」。謝る店員に対して、平が「父がすいません」とポツリ。

 また、平が父親と口論しているところを、母親に「喧嘩しない」と注意されるシーンもある。平の髪形が久美子社長そっくりということもあり、お家騒動をネタにしたとしか思えない内容になっている。

 大塚家具の広報担当者は「当社では(騒動を)意識してはおりません」ときっぱり否定。ならば平の髪形は何なのか。「平さんを幼く見せるための演出です」(担当者)と、あくまで偶然にすぎないと説明した。ということは、久美子社長の髪形にも若く見せる意図があるのだろうか。

 新CMにはブランドロゴの一新など、イメージチェンジをアピールする狙いがある。6月から撮影。内容については、広告代理店と大塚家具の宣伝担当者で打ち合わせをして決定したという。CMに久美子社長も出演しているだけに、社長直々のゴーサインがあったことは想像に難くない。

 広報担当者は「ご覧になった方から直接のお声はまだ頂いておりません。ネットでは両論だと思いますが、悪くない印象をお持ちの方もいるのかなと。CMのシリーズ化は反応を見て決めていくことだと思います」と、シリーズ化も選択肢にあると話した。

 ツイッターでは「これはおもしろい」「こういうCMが出せる会社は好感が持てる」と評判は上々。裁判はまだ続いており、CMのネタには困らなそうだ。