萩原流行さん過去の事故3件も“冤罪” 妻が警察との「闘争」会見

2015年07月03日 10時00分

萩原さんの遺品のジージャンを着て会見するまゆ美さん

“冤罪”を証明する極秘資料を独占入手――。4月22日に東京・杉並区の青梅街道で起きた個性派俳優・萩原流行さん(享年62)が死亡した交通事故で、妻まゆ美さん(62)が1日、都内で2度目の記者会見を開いた。まゆ美さんは過去2年間に夫の身に頻発した事故について“無罪”を主張。萩原さんの汚名をそそぐ孤独な闘いを「闘争」という強い言葉で表現し、警察側に対する刑事告訴も示唆した。

 まゆ美さんは、約60人の報道陣が集まった1時間40分に及ぶ会見で、萩原さんが4月に死亡する前に起きた3件の事故について潔白を主張した。

 3件の事故とは(1)2013年1月、乗用車を運転していた萩原さんが自転車に乗っていた女性と接触した事故(2)昨年10月、萩原さんが運転していた乗用車が歩行者男性にぶつかったとされる事故(3)今年3月、萩原さんがバイクで走行中に起きた自損事故――だ。

 ここまで頻発すると“危険ドライバー”との印象を世間に与える。萩原さんは約25年もの間、うつ病を患っていたため、なおさらだ。

 だが、まゆ美さんは会見で(1)について「刑事罰を問われていない」と従来通りに説明。(2)については「(夫は)否認していた」と明かした。(3)も萩原さんに悪意はなかったという。

 本紙は、東京地検が再捜査して嫌疑なしと判断した重要証拠資料「実況見分調書」の一部を計6枚、極秘入手した。

 13年1月の事故について警視庁は当初「乗用車を運転していた萩原さんの不注意で自転車に乗っていた女性と接触した」とした。だが、警視庁の捜査はずさんで、送検されてきた書類の不可解さに激怒した地検が再捜査し、この「実況見分調書」が作成された。

 それによると、地検は同年11月20日午前10時55分から約1時間20分、萩原さんを立ち会わせ、同日午後0時15分から約30分、女性を立ち会わせ、実況見分を実施。萩原さんにとっても、女性にとっても「見通しが悪い」とする調査結果を報告した。つまり、萩原さんに過失があるどころか双方にとって同じ「見通しが悪い」条件で、防ぎようがないまま出合い頭に接触した事故だった。

「単なる交通事故で検事が再捜査するのは異例。しかも、辣腕の上席検事が直々に現場を調べ上げた。いかに、地検が警視庁のテキトーな捜査に不信感を抱いていたか分かる」と捜査関係者。

 警視庁にとっては赤っ恥をかかされた格好だ。だが、この件を機に萩原さん側と警視庁の間に“遺恨”が生まれる。立て続けに起きた②、③の事故も警察の発表や一部報道で“萩原さんが起こした事故”との印象を世間に広めた。

 まゆ美さんは会見で「萩原の名誉の回復が一番の願い。(会見を開くことで)汚名を晴らせるんじゃないかと思いました」と毅然とした表情でキッパリ。愛した夫の“冤罪”を訴える孤独な闘いを「闘争」と表現した。

 警察への不信感も根強い。事故を起こした警視庁高井戸署の護送車を運転していた男性警部補は過失を認め、月内にも書類送検される。謝罪の意向も表明したというが、まゆ美さんは拒絶した。

 さらに、事故の全容解明が進まない場合、まゆ美さんは「秋くらい」をめどに警視庁を刑事告訴する意向だ。

 高井戸署の“完落ち”で事態が大きく前進した個性派俳優の事故死は今秋、法廷バトルに突入する気配が漂ってきた。