“ビリギャル”にパクリ疑惑 元ネタ本の監修者に聞く

2015年06月25日 06時00分

右は「学年ビリから東大・医学部・早慶に合格する法」の表紙、左は「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」の文庫本の表紙

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」(坪田信貴著、KADOKAWA)という書籍が、「ビリギャル本」の通称で人気だ。同書は女優有村架純(22)主演の映画も大ヒットし、社会的ブームを巻き起こしている。実はビリギャル本発売の2年前、雰囲気の似ている受験指南書がすでに発売されていた。ネットではパクリ疑惑も浮上。これは偶然の一致なのか。“パクられた”本人が心中を明かした。

 ビリギャル本は、愛知県内の私立女子高生さやかが1年半の間に偏差値を40上げて、慶応大学総合政策学部に合格した実話を、塾経営者の坪田信貴氏がまとめたもの。2013年12月27日に単行本が発売されると、モデル石川恋(21)のインパクトある表紙や、笑いと涙が同居した感動ストーリーなどでたちまち大ヒットした。

 累計発行部数は100万部を超え、有村主演の映画も観客動員200万人を突破した。社会現象化していると言っても過言ではない状況だが、一方で気になる本の存在も浮かび上がった。

 それが「学年ビリから東大・医学部・早慶に合格する法」(エール出版社)だ。著者の新宮竹虎氏は高校をビリ近くの成績で中退した後、大検を経て信州大学医学部に合格。さらに半年間で東京大学文科二類(経済学部)に合格した。監修の横幕弘亘氏も公立高校で学年ビリになりながら、現役で早慶に合格した。

 現在は、それぞれ埼玉県と長野県で塾を運営する2人が実体験をもとにまとめたこの「ビリから本」は、ビリギャル本とタイトルが似ているようにも感じられるが、発行されたのは2011年5月15日。つまりビリギャル本より先なのだ。

 また、ビリギャル本は映画公開にともない、文庫特別版の表紙が石川から有村の写真に変更された。制服姿の有村が机に左手で頬づえをつくこの構図は、ビリから本表紙のイラストを連想させる類似ぶりだ。

 この事態を“元ネタ側”は把握しているのか。横幕氏は困惑した様子でこう話す。

「もちろんです。最初にビリギャルの単行本が出た時は、まあそういうふうになるのも仕方ないかと思っていたんですが、文庫の表紙まで似るとなると…。これが偶然ならどれだけの確率になるのかなとは思います」

 ビリから本は2人が今から約10年前にネット上に記載した内容を約4年かけて再構成したものだという。

「私たちのは基本的に塾に通わなくても合格を目指すための具体的内容をまとめた本です。実は、ビリギャルの通っていた塾に現在通っている方から、勉強方法について私たちが相談を受けることもあります」(横幕氏)

 では、今回の事態については率直にどう考えているのか。

「まあ単純に私たちの方が先、というのを皆様に知っていただけたらいいなと。あと、ビリギャルの映画や本の内容を妄信的に受け入れて受験を安易に考えてしまう方々は、もう少し客観的に物事を見る目を持ったほうがいいのかなとは思います。ただ、やはりビリギャルは面白い本だと思うし、仮に自分たちがまねられたのだとしたら、それはある意味で光栄なことなのかもしれませんね」(同氏)

 ちなみに、ビリギャル本モデルの女性はもともと進学校に通っていたため、一部の読者から「学年ビリといっても地頭は良かったのではないか」という批判も上がっている。だが、この点については横幕氏も苦笑いを浮かべ「私も新宮も学年ビリ近くだったのは確かですが、新宮は私立の中・高一貫校を中退、私は県立の偏差値70の高校だったんです。すいません、そこは我々も正直に白状します」。

 本紙はKADOKAWAにも質問を送ったが、期限内に回答はなかった。

 なんともはや、真相は果たして――。