お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹(35)が20日、都内で行われた、俳人の堀本裕樹氏(40)と共著「芸人と俳人」の発売記念イベントに出席した。

「芸人と俳人」で20以上の俳句を披露した又吉は「俳句はずっと興味があって2年前から始めました。小説も俳句もわからないことがあるから面白いですね」。その語り口はお笑い芸人というより、まさに文人そのものだ。

 その又吉が書いた中編小説「火花」が、第153回芥川賞の候補に選ばれた。「うれしいけど不安もある。受賞の自信? ないですね。受賞できるできないではなく、どう読んでいただけるんだろう」と話し、作家として小説の評価が気になる様子。

 さらに候補になったことを告げる電話を受けたときは「編集の担当者から『別の者に変わります』と言われて、ものすごく偉い人に怒られるんじゃないかと思った」と話し、芥川賞候補になるとは予想すらしていなかったという。

 好きな作家には芥川賞作家が多いというが、敬愛する太宰治が第1回の芥川賞を逃して選考委員の川端康成にかみついたというエピソードについて、「いかに太宰が攻撃的であったかということ。僕にはできないですね」。敬愛する太宰とは真逆の自然体で7月16日の選考発表を待つ構えだ。