「相棒」失格は大成功になったか。水谷豊(62)が主演のドラマ「相棒」(テレビ朝日系)で3代目相棒として活躍した成宮寛貴(32)。3月に終了したseason13をもって相棒役を降りたが、成宮にとっては願ったりかなったりのタイミングだったかもしれない。

 成宮が相棒を演じた3年間はいずれも平均視聴率は関東地区で17%強。以前の「相棒」に比べて劣るどころか上回っている。視聴率的には成功の部類だが、結局、切られてしまった。「水谷さんから見て成宮さんの演技に物足りなさを感じたというのが理由として言われてますけど、何より、“脇で光る”役者になった。これから先、重宝されますよ」とはあるテレビ局プロデューサー。

「相棒」を辞めてからの成宮はというと、7月にはTBS系「37・5℃の涙」、日本テレビ系「花咲舞が黙ってない」の第2弾と2本の民放の連ドラに2、3番手として出演することが決定。WOWOWでも連ドラ時代劇「ふたがしら」で松山ケンイチ(30)らと共演している。

「もともと水谷さんが3代目相棒の条件として出していたのが『名前はあるけど落ち目の俳優』だったそうですが、確かに3年前の成宮さんはそういう立ち位置だったかもしれません。主役のドラマを作るには物足りなさを感じていた人は多かったですからね。でも『相棒』をやったら変わりましたよ。うまく周りを立てられるし、自分も前に出られる。準主役というポジションに収まってくれるなら使いたいというテレビマンはこれからも多くなりますよ」と同プロデューサー。

 しかも3年間という「相棒」期間がちょうどいい具合だという。「役柄の色も付いてないし、むしろ視聴率は上がっているんです。成宮のおかげとは言いませんけど、外から見たら、プラス評価はあってもマイナス評価はないですよ。4代目が誰になるかいろいろと言われてますが、水谷さんももったいないことをしたと思うかもしれませんね」(同)。成宮本人にとっては準主役という立場は不本意かもしれないが、脇を演じられる名優が一人生まれたことだけは間違いない。