映画監督のジョージ・ミラー氏(70)が5日、都内で行われた自らの監督作品「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(20日公開)の舞台あいさつに登場した。


 かつてハリウッド俳優のメル・ギブソン(59)を主役に起用し大ヒットした作品の続編で、絶体絶命のアクションシーン満載でありながら、CGを一切排除。役者たちはまさに命がけで撮影に臨んだという。


 ミラー監督は「リアルであるために、本物の砂漠において本物の車をぶつけたんだ。130日間連続で撮影を行ったので、一番大変だったのは安全を確保することだったよ」とその苦労を語る。さらに「作品にかかわった人間で一番“マッド”な人は誰?」と質問が飛ぶと、「それは間違いなく僕だろう」と笑いを誘った。


 そんなミラー監督が日本に来て、巡った場所を聞かれると「ジブリ(東京・三鷹の森ジブリ美術館)だね。僕にとって、宮崎監督は神です」と、日本が世界に誇る宮崎駿監督(74)の名前を挙げたのだ。好きなジブリ作品は「千と千尋の神隠し」だといい、さらに「偉大なアーティストの作品を見ると、一生忘れないイメージが脳裏に焼き付く。この作品も一生忘れられないイメージを持った」と絶賛した。


 自分を「マッド」というミラー監督が、マッドとは正反対のジブリ作品を敬愛するのは理由がある。「ミラー監督は医大出身で何度も患者の生死の現場を経験している。命や平和の大切さを知っているから、宮崎監督のメッセージが心に響く。作風こそまったく違うが根底に流れる人間愛は同じ。それがあるからこそ、真逆のマッドな映画もできるわけ。映し鏡ですね」(映画関係者)


 この夏、日本を騒がせる映画になりそうだ。