超ド級の“デマ”が流れた。英BBC放送の女性記者が「エリザベス女王死去」という誤った内容のツイッターを投稿し、一部欧米メディアが追随する騒ぎがあった。英メディアが3日に起こしたこの騒ぎ、発信者の釈明もナゾを呼んでいる。

「注意 先ほどのツイートは削除しました!!」

 BBCのアフメン・カージャ記者(31)が3日に流したツイートに「バカバカしい」「まったく無責任」といったコメントが相次いだ。

 削除されたのは同記者が直前に発した一連のツイート。特ダネを意味する「ブレーキング」の冠付きで「女王が入院。間もなく声明」との“第一報”に次いで「エリザベス女王が死去した」と訃報を伝えた。「入院」は米CNNテレビやドイツ紙ビルトが公式ツイッターで転載して大騒ぎに。

 4月に89歳になった女王は5月末に英議会で演説したばかり。精力的に公務をこなしており、王室は健康状態に問題がないことを説明し、噂を打ち消した。BBCは電子版の記事上で謝罪し「死去した場合に備えた訓練でのミス」と説明した。

 他の英メディアによれば、カージャ氏は訓練には直接参加しておらず、訓練内容を伝え聞いて、ツイートしてしまった可能性があるという。さらに本人は自宅に置き忘れた携帯電話が“ハッキング”された末の「バカげたいたずら」だとの釈明もツイート。これにも疑問が相次ぐや削除され、事の真相は明らかになっていない。

 今春にはサッカーの王様・ペレ氏(74)の「死去」を米CNNの番組ツイッターが流して謝罪。著名人らによるSNSへの投稿文をめぐる騒ぎは絶えない。

 米国では2013年、大手ネット企業の女性広報が「アフリカに行くんだけど、エイズにかからなければいいな。冗談よ、私は白人だから」とツイートし、大炎上。会社を解雇された。

 北京五輪金メダリストのオーストラリアの女性競泳選手ステファニー・ライスは10年、ラグビーの同国代表が南アフリカ代表に勝利した際、同性愛者への差別発言を投稿。スポンサーのジャガーが撤退する騒ぎとなった。

 12年には台湾政府の報道官が自身のフェイスブックへの投稿内容が原因で辞任に追い込まれた。胡幼偉氏は、大学の教え子である当時24歳の女性と恋愛関係にあることを告白。27歳も年下の若い女性に浮かれてしまったのかもしれないが「教え子に手を出した」として批判が殺到した。

 胡氏はその前にも、政府が国産品の購入を推進する中で、自身が購入したiPhoneの写真を投稿して非難を受けており、詰めの甘さが目立っていた。

 一寸先は闇――。安易に投稿できるからこそ、思慮深さも求められる。