落語家の桂歌丸(78)が1日、背部褥瘡(はいぶじょくそう)の手術のため、入院治療することが分かった。入院期間は7~10日を予定しているという。

 歌丸が会長を務める落語芸術協会によると、背部褥瘡の入院治療はかねて予定されており、同期間の高座欠席や、司会を務める日本テレビ系「笑点」の欠席もしないといい「命に別状はございません」「すぐに皆さまの前に帰って参ります」としている。

 褥瘡とは寝たきりなどで圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部がただれたり、傷ができてしまうこと。一般的に「床ずれ」ともいわれる。

 医療関係者によると「同一箇所が2時間ほど持続的に圧迫されると、褥瘡が発生するといわれる。健常者なら寝ている時に寝返りを打つなど絶えず体を動かしているので床ずれは生じません。圧迫が続けば痛みを感じて無意識にその部位を動かすのですが、知覚と運動という2つの神経機能が衰えると動かすことができず、褥瘡が発生する。高齢者社会の到来で、寝たきりの老人が増えたことで褥瘡の発生も増えています」という。

 放っておくと危険だ。

「骨が出っ張っていて、寝ていて当たりやすい仙骨、大転子、腸骨稜、座骨などにできやすい。褥瘡の段階が進むと、皮膚が白くなり、黒くなって壊死する。皮膚が深くえぐれ、脂肪層、皮下脂肪が露出する。さらに進むと骨が露出してしまう。創傷が広範囲で自然にふさがりそうもない場合には形成手術も必要になります」(前同)

「笑点」にレギュラー出演している春風亭昇太(55)は、1日に行われた喜劇「プリティウーマンの勝手にボディガード」の公開稽古で、歌丸の入院について「知らなかったです…」と目を丸くして語った。