連続昏睡強盗の“声優のアイコ”こと神いっき被告の第6回公判が27日、東京地裁で行われた。第5回までの公判は完全に「アイコ劇場」だった。全面否認していた4月の第4回公判では突然「お兄ちゃんは悪くありませんっ!」と舌足らずな幼女キャラで自身の二重人格性を絶叫。

 翻って前回、素に戻り「一連の事件すべては、記憶はないがボクがやってしまったことだと思います」と一転、起訴内容を認めたのだ。またこの時「留置場で乖離を起こして別人格になってしまうことがあり、ほかの人格で犯行を行ってしまった可能性がある」と主張した。

 弁護人も「事実関係に争いはなく責任能力を争いたい」と突然、方針転換したことから、幼女キャラも打ち合わせ通りの演技ではないかとみられていた。だが、この日の神被告は発言の機会もなく、ただ眠そうに被告人席で背中を丸めていた。

 神被告の知人は「今日のおとなしい感じが神のスタンダード。ホルモン剤などで気性が激しくなって、それが言葉遣いに出ることもあったけど、女言葉になったり幼児言葉になった神は見たことがない。精神疾患で通院していたのは事実だけど、そのうえで演技もしていたのではないか」と推測する。

 この日、検察の証拠読み上げで「マンションのゴミ集積所から、薬物の成分が検出された缶チューハイのゴミが回収された」など証拠隠滅ととれる状況が明らかになった。今後、責任能力をめぐり神被告の“演技力”がどこまで通じるか見ものだ。