【フランス・カンヌ発】現在開催中の「第68回カンヌ国際映画祭」(24日まで)を訪れた人気女優・夏帆(23)の「異変」が現地で話題になっている。夏帆は同映画祭のコンペティション部門に出品された「海街diary」(是枝裕和監督 6月13日公開)に出演しているが、カンヌではトレードマークの長い髪をバッサリ切って登場したのだ。この大変身のウラ側を追跡すると、今後の方向性をめぐり所属事務所との“確執”があるとの衝撃的な話が飛び出した。

 夏帆は日本を代表する映画監督の一人である是枝監督の「海街diary」で、綾瀬はるか(30)、長澤まさみ(27)、広瀬すず(16)らと共演している。


 映画は漫画家の吉田秋生氏(58)の同名コミックが原作で、3姉妹と異母妹1人の共同生活が織り成す人間ドラマ。是枝監督は海外でも評価が高いうえ、コンペ部門では唯一の日本の作品ということもあり、現地でも「是枝作品ということで関心も高い。最高賞に当たる『パルムドール』を取れるかはわからないが、一定の高い評価を得ている」(現地メディア関係者)という。


 日本からも当然、多くのメディアが取材のため現地を訪れているが、レッドカーペットに登場した夏帆に対して「日本のメディアがざわついていた」と言うのはある映画関係者。


「綾瀬や長澤、広瀬は日本でも見たことがあるような装いだったんですが、夏帆だけは全然違った。これまでは長い髪の毛がトレードマークだったのに、なぜか急にショートカットにしてきた。そのうえ今までのかわいいイメージを捨てるかのように濃いメークで登場。映画には長い髪のまま出演していたから、ショートカットだと最初は誰か分からなかった。『宝塚の男役?』なんて声も。海外メディアは『あんな女優、映画に出演していたか?』なんて言っていた」


 ファッションでも夏帆は、大人びたイヴ・サンローランのロングドレスという装いだったからなおさらだ。


「カンヌという晴れ舞台で、自分を変えたい!という強い意志が確実に表れていました」(同)


 カンヌ国際映画祭は日本人女優はもちろん、世界中の女優にとって一生のうちで何度も経験できないような晴れ舞台だ。ハリウッドをはじめ世界中の映画関係者に、自らをアピールする絶好の舞台にもかかわらず、出演者かどうかさえ分からなくなるような変身をするのは“よほどの理由”があるに違いない。その理由は何なのか?


 ある映画プロデューサーは「所属事務所との“方向性の違い”があるんです。はっきり言って、いまの夏帆は事務所に作られた“清純派”というイメージに非常に苦しんでいるんです」とそのウラを明かす。


「大々的に売り出され、07年の映画『天然コケッコー』で、『第31回日本アカデミー賞』新人俳優賞を受賞。10代のころは清純派として人気となったが、本人が目指しているのはそういう女優じゃない。実は性格が破綻したような役柄を演じたいようだ。最近では『パズル』で、自殺未遂を図り、人を刺して返り血を浴びながら踊り狂う役を演じた。映画自体はヒットしませんでしたが、夏帆自身は満足感があったそうです」(同)


 ところが所属事務所は、まだ夏帆に清純派として稼いでもらいたいという思惑がある。同関係者は「カンヌで大人びた格好で登場したのは、事務所に対するストレスの表れ。清純派では終わらないというメッセージでしょう。それでも事務所がこのまま清純派のイメージを押しつけると、衝突する危険もあるのでは」と指摘する。


 カンヌでの記者会見でも夏帆が「海外でも仕事がしたい」と力強く語るシーンもみられた。本人の希望通り、清純派から大人の女優への転身に期待したいが、果たして事務所がどう出るか。