先月22日に事故死した個性派タレント・萩原流行さん(本名光男・享年62)の事故死をめぐる真相は、闇のままでこう着状態が続いていたが14日、事故現場の東京都杉並区の青梅街道で、警視庁は事故後3週間たった非情な“劇場型実況見分”を実施。まゆ美夫人(62)の立ち会いの下、事態が激しく動いた。
 
 事故が起きたのは先月22日。東京都杉並区の青梅街道上り3車線で、高井戸署警部補が運転する護送車が左レーンから中央レーンへ車線変更しようとし、そこを愛車の大型バイク・ハーレーダビッドソンで走っていた萩原さんが何らかの原因で倒れた。
 
 体は右レーンへ投げ出され、後続の東京・練馬区の会社役員が運転する乗用車にひかれ、ほぼ即死。心房破裂だった。
 
 捜査当局は事故当初、護送車の関与を認めず、世間から大バッシングを浴びる。遅々として進まない全容解明にも批判が集中した。
 
 現場には同庁の交通捜査課、機動隊、杉並署員ら約30人が投入される合同捜査。午後1時25分ごろから、事故現場である上り3車線約100メートルを完全封鎖した。事故に該当する3車両すべて使用して再現だ。
 
 同2時50分ごろに本格的な実況見分がスタート。
 
 萩原さんと約30年の付き合いになる“顧問弁護士”である堀内稔久氏(76)は、現場近くの歩道橋から写真撮影しない捜査を厳しく指摘した。「なんで上(歩道橋)から撮らない? 撮られちゃマズいのか!」。当局担当者は「そういうつもりはない」「(捜査の)順番がある」と困惑気味に首を振った。
 
 堀内氏は記者団に「平場で撮るより上(歩道橋)から撮れば全体が分かる」と不満を口にする。実況見分の様子は多角的かつ、事細かに証拠写真として押さえるべきという主張だ。
 
 残酷だったのは、萩原さんが右レーンの乗用車にひかれる瞬間を再現した実況見分だった。
 
 同5時5分ごろ、萩原さんに見立てたダミー人形がうつぶせに突っ伏し、乗用車の左後輪につぶされる。なぜ、左後輪かは不明。まゆ美夫人は思わずその場にしゃがみこみ、涙を流して顔を伏せた。ダミー人形はそのまま約30分も左後輪の下敷きになった。
 
 だが、午後6時ごろになると一変。
 
 まゆ美夫人は実況見分中に、該当車両3台の位置が違うと現場に踏み込んだ。「なんでこんないい加減なことするの!」「警察ひどいですよ!」と激怒するなど波乱含みの展開となった。