20日に都内の自宅で自殺した「加瀬邦彦&ザ・ワイルドワンズ」のリーダーで音楽プロデューサーの加瀬邦彦さん(享年74)の通夜が27日、東京・文京区の護国寺でしめやかに営まれた。往年のファンや関係者約850人が最後の別れに訪れた。

 芸能界からも加瀬さんがかつて所属した「寺内タケシとブルージーンズ」の寺内タケシ(76)や「フォーリーブス」の江木俊夫(62)、高木ブー(82)、モト冬樹(63)、中村あゆみ(48)らが参列。

 中村は「加山(雄三)さんのイベントで一緒にMCしたり、プライベートでもハワイでごちそうになったり、(音楽)業界に戻ってきた時は親身に相談に乗ってもらった。お兄さんみたいに優しい人だった。(訃報に接し)実感がなかったが、今日お焼香をあげて“いなくなっちゃったんだな”と。ゆっくりお休みになってほしい」と涙ながらにしのんだ。

 高木ブーは「彼とはプレーヤー仲間。あのころ、『ドリフターズ』でどこ(の現場)に行っても会っていた。いかりや(長介)の時も『バカヤロー!』って言ったんだけど、つらかっただろうと思いますね。でも、いかりやも先に行ってますんで…。誰もいないところに行くわけじゃない」と言葉少なに語った。

 加瀬さんは慶応義塾高の先輩、加山雄三(78)の影響で音楽の道に入り「ザ・スパイダース」「寺内タケシとブルージーンズ」を経て「ワイルドワンズ」を1966年に結成。「想い出の渚」でデビューし、グループサウンズの一時代を築いた。昨年、下咽頭がんの手術をしてからは自宅療養中だった。