1億7000万円の無利息融資など利益供与疑惑を報じられた日本テレビ・上重聡アナウンサー(34)は依然、共同MCを務める朝の情報番組「スッキリ!!」に出演している。相変わらず非難の声がやまない中、日テレサイドが、いま最も恐れているのがメーンMC加藤浩次(45)の“爆発”だという。関係者によると、加藤が怒りを抑えきれずに「説明責任を果たしていない上重アナが、なぜ出演し続けられるんだ?」といつ言いだすかわからないと不安なのだ。

 1億7000万円ものマンション購入資金に、超高級外車の無償貸与。大スポンサー、靴の小売チェーン・ABCマートの創業者で元会長の三木正浩氏(59)からの利益供与疑惑に対する視聴者や日テレ局員の怒りは本紙もこれまでに報じてきた。同じ気持ちはメーンMCの加藤にも、あって当然だろう。

 周知の通り上重アナは3日放送の冒頭で「プライベートな交友関係において、個人的なご厚意に甘えたことにより、多くの方に疑念を抱かれるような、そういった結果になってしまいました」と謝罪した。だがその後、自らこの問題に触れることは一切なく、今も番組に出演し続けている。

 上重アナも局の上層部も、このまま騒動が沈静化するのを待っているようだが、相変わらず日テレには批判が続き、他局の番組も批判的に取り上げた。本紙既報通り、局内からも「説明責任を果たしていない」などといった声が噴出。そればかりか一部では「退社Xデー」といった報道も。そんな“空気”を加藤が感じていないはずがない。

 上重アナが謝罪した日の放送中、加藤は「上重くんもちゃんと電車で帰るようにね!」と、無償で借りた高級外車で就業規則違反となるマイカー通勤をしていたことをいじった。9日にも「今、イメージ上げようと必死な時期だもんな」と再び突っ込みを入れている。

 日テレ関係者は「やっぱり『こんな説明で金銭問題へのおとがめなしはおかしい!』という思いがあったのでは」と話している。

 たびたびの“上重イジリ”は、笑いによって話題を昇華させるという加藤の優しさという見方もあるが、同関係者は「ワイドショーのMCとして、加藤さんには『何か問題が起きたらきちんと説明しなくてはならない』との思いがある。普段から自分を厳しく律しているのに、この春から出演し始めた上重アナは詳細な説明を全くしていないから、加藤さんは納得していないようだ」と明かす。

 加藤が釈然としないのは、単に正義感が強いからだけではない。忘れもしない“9年前のあの事件”のせいだ。

 2006年7月、元極楽とんぼの盟友・山本圭壱(47)が少女淫行事件を起こし、所属の吉本興業から契約解除され芸能界を追放された。

 今年1月に都内で単独ライブを開催、その後も広島や宮崎でライブを行ったが、テレビ復帰はいまだに果たせないでいる。

 同事件が起きたとき、加藤は「スッキリ!!」のMCになってまだ3か月しかたっていなかった。

「ワイドショーのMC」という強い正義感と責任感がある加藤は、この問題から逃げることなく番組で号泣しながら謝罪。声を詰まらせながら「山本のしでかした反社会的行為は、許されることではないと僕も思ってます」と話した。

「どう視聴者に説明したらいいのか悩んだ加藤さんは、この日の朝まで山本さんと話し合った。所属の吉本興業には『問題に触れずスルーすべき』という意見の社員もいたが、加藤さんが説得し、きちんと説明したうえで謝罪したんです」(同)

 それだけつらい経験をした加藤にとって、上重アナの型通りの謝罪など納得いかないのもムリはない。

「山本の事件は和解が成立し不起訴となったが、約9年たっても(テレビには)復帰できずにいる。被害者がいる山本の事件と、1億7000万円の利益供与疑惑の上重アナとでは、どちらが悪いか、一概には比較できない。ただ、上重アナもあれではね。きちんと毎月の返済額を提示しないと『どうせ1億7000万円は返さないよ、あんな大金もらいやがって!』と視聴者が不快になるのは当然でしょう」(同)

 視聴者、局内の社員だけでなく、一緒にMCを務める加藤も「降板すべき」と正論を言えば、上重アナが「スッキリ!!」から降板するのは時間の問題となりそうだが…。