「報道ステーション」(テレビ朝日系)の生放送で古舘伊知郎キャスター(60)と舌戦を演じた元経済産業省官僚の古賀茂明氏(59)が16日、今度はフジテレビや日本テレビの記者とバトルを展開した。

 首相官邸筋の圧力により同番組を降板させられたと主張する古賀氏は、都内の日本外国特派員協会で「日本メディアでは重要なことが報じられない。圧力なのか自粛なのか。記者は重要な問題に気付く能力すら失いつつあるのではないか」と語った。さらに自民党がこの件でテレ朝を、やらせ疑惑問題でNHKを党本部に呼びつけている問題にも言及。「集団リンチになる恐れがある。NHKもテレビ朝日も呼び出しは断ってほしい」と訴えたが、会見後には国内大手メディアと一触即発の事態になった。

 日テレの男性記者が「報ステで打ち合わせにない発言を古賀氏がしたことが、むしろ政治権力の介入を招くことになったのでは」と問うと「どちらですか? 日本テレビですか。日テレは、打ち合わせしてないことは言っちゃいけないという発想なんです。エンタメやドラマには台本があるでしょうが、日テレでは報道も打ち合わせ通りに放送しているとは驚きです」と言い返した。

 次に参戦したのはフジテレビの女性記者だ。“集団リンチ発言”の真意を問うと古賀氏は「呼んで何を聞くんですか。想像されました?」と逆質問。フジ記者が「一つひとつの内容について確認をしたいという立場では」と返すと「どうして自民党が確認する必要があるのか」「フジも日テレも一生懸命、政権側に立って質問してるのは理解できない」「あなたたちは戦う気持ちがないのか」といら立った。

 フジの記者が「時と場合による」と答えると、古賀氏は「戦わないと決めたら、戦う人を追い詰めるために質問をするんですか?」と反論。さらに「(このやりとりは)ネットに流れる。こういうリポーターがいることを日本中に知ってほしい」と念押しした。

 最後にTBSの小林悠アナ(29)が「政府の圧力とは」と具体的な中身を問うと「自分の胸に手を当てて考えて。録音テープがどうこうと言う人がいるけど、ゴシップみたいなことはやめましょう」と圧力の内容を話すことなく去って行った。

 この調子では古賀氏に出演を依頼するキー局は当面なさそうだ。