いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのアイドルグループ「嵐」だが、デビューしてしばらくはまったくブレークできず、ひどい扱いを受けていたことが発覚! そのころのメンバーの葛藤などが書かれた新刊本「嵐、ブレイク前夜」(主婦と生活社)が発売され、さっそく大きな話題になっている。

 著者は「元『嵐』側近スタッフ一同」となっており、テレビ画面ではうかがえない嵐メンバーの素顔が描かれている。とりわけ思ったように人気が出ずに“苦闘”を繰り広げる様子は衝撃的だ。

「ジャニーズの看板に育ち、なおかつバックにジャニーズ事務所の次期社長と言われている藤島ジュリー氏が付いている嵐は、テレビ局がもっとも気を使わなければならないグループ」(テレビ局関係者)という現状があるからだ。

 嵐は1999年にハワイで華々しくデビュー会見を行ったが、なかなか人気が出なかった。そのためテレビでの扱いは、今では考えられないほどひどかったという。例えば2002年末に放送されたテレビ朝日系「ミュージックステーションスペシャルスーパーライブ」では、全出演歌手の中で持ち時間がもっとも短く、2分もないくらいだった。そこで猛抗議したが、プロデューサーからは「でも、優先順位ってもんがありますから」と一蹴されたという。

 メンバーたちも「解散」を予感するほどの惨状だったが、そこから踏ん張り国民的グループとなった。その裏ではメンバーの頑張りはもちろん、ジュリー氏の奮闘もあったという。

「あなたたちは私が担当するから、今日から任せなさい」とメンバーを引っ張り、育てていった。さらに02年に行ったハワイファンツアーにテレビ局やラジオ局の“お偉いさん”など150人を招待、嵐を売り込んだ。

 国民的アイドルグループになる前には、何をやってもダメだった時代があった嵐。今のファンには信じられない話と言えそうだ。