漫才日本一を決める「M—1グランプリ」が今年、復活することが決まった。ところが、出場資格などがまだ決まっていないため、中堅どころの漫才コンビの多くが「果たして自分たちは出場できるのか?」と不安になっている。

 大阪・朝日放送が主催する「M—1グランプリ」は、2010年に第10回を迎えたことで終了。代わって翌11年から、フジテレビ系列で「THE MANZAI」がスタートしたが、今年5年ぶりに復活することが発表された。

 お笑い関係者は「復活を決めたのは、『THE MANZAI』がイマイチ盛り上がっていないため」と指摘。「M—1」は“プロ、アマ問わず結成10年未満”という出場資格があったのに対し、「THE MANZAI」はプロの漫才コンビなら結成から何年たっても出場できる。

「『M—1』はまだ売れていない若手を島田紳助や松本人志が厳しい目で審査するから、独特の緊張感があった。でも『THE MANZAI』は『M—1』ほどの緊張感はない。昨年はベテランの博多華丸・大吉が優勝したのを見ても分かるように、“若手の登竜門”というイメージもない。この状況なら“『THE MANZAI』との差別化は可能”と踏んで、『M—1』の復活を決めたんです」(同)

「M—1」復活は昨年発表され、当初は「夏に開催」としていたが、今年になって「冬に開催」と変更された。

「昨年発表した時は、開催が決定しただけで細かい規定などは何も決まっていなかった。だから朝日放送もまだ発表する気はなかったが、業界関係者だけに出回る業界誌に『M—1復活』という記事が出たため、あわてて発表したんです。本当はすべてが決まってから大々的に発表したかったのに、中途半端な発表になってしまったのはこういう経緯があったんです」(テレビ局関係者)

 いずれにせよ、今年の年末には「M—1」と「THE MANZAI」という2つの大会が行われる。芸人を悩ませているのは「Mー1」の出場資格が決まっていないことだ。

「『THE MANZAI』との差別化を図るためには、出場資格の縛りを設けるのは間違いない。最後の『M—1』から5年がたっていて、以前は“結成10年未満”だったから『今度は15年未満になるのでは?』と芸人の間では言われているけど、まだ正式には分からない。結成して15〜20年くらいのコンビは『自分たちは出場できるのか』と、みんな不安になっているんです」(前出のお笑い関係者)

 出場資格だけでなく、審査員が誰になるのかも話題になっている。

「紳助さんが出演しないことはすでに明言されています。そうなると松本さんが審査委員長を務めるのが一番いいけど、おそらくやらないと言われている。オール巨人さんや西川きよしさんは『THE MANZAI』の審査員をやっているから難しい。そこで『過去の優勝者が審査する』などと噂されています」(同)

 芸人たちにとって「誰がやるのか」は重要なポイントで、中には「審査員によって出場するかどうか決める」と言っているコンビもいるとか。「M—1」のレギュレーション次第で、出場者も変わってきそうだ。