安倍首相夫人の安倍昭恵氏(52)が7日、東京・文京区の中央大学後楽園キャンパスで開催された、ドキュメンタリー映画「赤浜Rock’nRoll」(5月2日公開)の試写会にゲストとして出席した。

 震災後、国と岩手、宮城、福島3県が1兆円以上を投じ総延長約390キロの防潮堤整備を計画。建設と維持に掛かる巨額の費用に加え、景観や生態系保護の観点から地元住民や専門家の間で反対の声が噴出している。

 本作はその防潮堤建設を拒否した岩手県大槌町赤浜地区の住民を追ったドキュメンタリー。昭恵氏は宮城県仙台市や気仙沼市などで、防潮堤建設を見直す活動を行っており、この日、小西晴子監督(54)とトークショーを行った。

「これからは18歳で投票権が得られるようになってくるとも思うし、自分たちの問題は自分たちで真剣に取り組んでほしい」と学生たちに呼びかけた昭恵氏は、「海が見えなくなるのは海の近くに住んでいるという意識、防災の意識も薄くなる」などと問題点を訴えた。

 続けて「何回、(防潮堤関連の)フォーラムをやっても、問題に関心のある人が来るだけ。関心のない人に訴えるために、この映画は大切な役割を担う」と主張。「海と陸を分断するのは命を削っているようなものではないかと思う」と力説し、会場から盛大な拍手を浴びた。