長期にわたる低迷を脱却するべく、今春の大型改編に踏み切ったフジテレビに対し、系列局からブーイングが巻き起こっている。特に30日スタートの目玉番組で、安藤優子キャスター(56)をMCに据えた昼の新ワイドショー「直撃LIVE グッディ!」(月~金曜午後1時55分)が失敗に終われば、系列局からフジの責任を問う声が上がってもおかしくない状況だという。低迷が続くフジにとっては、まさに“四面楚歌”の状況と言えそうだ。

「――グッディ!」の影響をモロに受けたのが、準キー局である大阪・関西テレビだ。同局では同じ時間帯で、関西ローカルの「ハピくるっ!」(月~金曜、午後2時)を放送していたが、27日をもって終了せざるを得なくなってしまったのだ。

「――グッディ!」は、同時間帯のトップをひた走る「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)を打ち破るため、フジが戦いを仕掛けるという番組だが…。「関西では『ハピくるっ!』がようやく定着してきたところ。関テレ内では『何でフジの都合で終わらせなきゃならないんだ』と不満が出ています」(芸能プロ関係者)

「ハピくるっ!」は、なぜか出演者にスキャンダルが続出することで知られた。レギュラーである国生さゆり(48)、鈴木紗理奈(37)、西川史子(43)らが次々に離婚。国生は今年1月、元夫が詐欺容疑で逮捕され、番組で謝罪までしている。

 こんな話題もあり視聴率は上昇機運だっただけに、打ち切りに納得がいかないのも当然。先日行われた関テレの改編発表会見でも、「安定した視聴率も維持できるようになったところ。断腸の思いでの決断となりました」(編成部長)と、無念さを隠さなかった。

 関テレが怒るのは「ハピくるっ!」だけの問題ではないとか。最近、低迷しているフジの中で好調といえる番組は「SMAP×SMAP」(月曜午後10時)、「Mr.サンデー」(日曜午後10時)などが挙げられる。ドラマでは、17日に最終回が放送された草なぎ剛(40)主演の「銭の戦争」が同回で15・4%と、火曜午後10時枠では最高の数字を記録した(関東地区、ビデオリサーチ調べ)。

「最初の2つの番組には共通することがある。いずれも『関西テレビ・フジテレビ共同制作』ということ。共同制作とはいえ、関テレが中心で作っている。フジの制作で好調なのは『サザエさん』くらいかな(笑い)」(他局の民放関係者)。「銭の戦争」も関西テレビ制作だ。

 本紙でも既報したが、フジ制作だった火曜午後9時の枠を4月から関テレに譲ることが決まっている。これには2007年1月に“捏造”問題で打ち切りになった関テレ制作の「発掘!あるある大事典II」(日曜午後9時)が、同枠をフジに“没収”されていた経緯がある。

「関テレとしては『あるある――』で奪われた枠を、別の曜日だけどようやく返してもらった格好。まあ関テレ制作の番組の方が好調だから、返さざるを得なかったのでは。『あるある――』は不祥事といっても、一昨年にはフジ制作の『ほこ×たて』がヤラセ問題で打ち切りになってるから、偉そうなことは言えなかったんでしょう」(同)

 さらに制作会社関係者は「フジでは最近、昼ドラが話題になってるけど、あれも名古屋の東海テレビ制作ですからね。ドロドロの愛憎劇で賛否両論を生むような企画は、今の保守的なフジからは出てきませんからね」と指摘した。

 フジよりも系列局が制作した番組の方が好評なのに、フジの都合で「ハピくるっ!」は打ち切りとなった。

「“打倒ミヤネ屋”を掲げるなら、関東でも『ハピくるっ!』を放送した方がよかったのでは。実際『ミヤネ屋』だって大阪の読売テレビ制作で、もともとは関西ローカル。それが好評で関東でも流すようになったわけだから」(同)

「――グッディ!」が惨敗に終わったら、関テレの怒りは収まりそうにない。