3ピースロックバンド「The Sketchbook」が23日、東京・渋谷TSUTAYA O―WESTでラストライブ「ハジマリノウタ」を開催。3年半の活動に幕を閉じた。

 バンドはテレビアニメ「SKET DANCE」をきっかけに2011年に結成し、ソチ五輪フィギュア男子で金メダルを獲得した羽生結弦がショートプログラム直前で聴いていたバンドとしても一躍有名となった。

 ボーカル&ベースの多田宏が「今日ほど一つになったライブは今までない」と語ったライブでは「クローバー」「未来へ」「Arrive」などを思いを込めて熱唱。会場には「SKET DANCE」原作者の篠原健太氏や、声優を務めた白石涼子なども訪れた。

 ラスト1曲となったところで、それぞれのメンバーがファンへの感謝と今後について語った。

 ドラムの渡邊悠は「解散という決断で悲しい思いをさせたからこそ、その思いを背負って、このライブの最後の一音を鳴らした瞬間から〝ハジマリノウタ〟を始めたい」とコメント。解散後はキーボード藤井洋とのユニット「moratorium」でボーカリストとして活動する。

 今後は声優としての活動を目指すギターの小原莉子も「3年半で学んできたことは今後、一人の活動として絶対生かされるはず。それもファンの方にいただいたもの。今後もみなさんにいただいた勇気を背負って、頑張っていきたい」と語った。

「ライブをできなかった時期に、僕は音楽ができるって幸せなことだとすごく感じた。一緒に同じ思いをして、同じ感覚で一つになれるって本当に幸せなこと」とかみ締めた多田は4月以降、新プロジェクト「Swift」を始動。「スケ友(ファン)のみんなの背中を後押しできる音楽を届けていきたい」と誓った。

 会場のファンからはすすり泣きも聞こえたが「解散は大きな決断でしたが、今は後悔はありません」(渡邊)と語った通り、3人は最後まで涙は見せなかった。


 ラストナンバーはこの日2回目となる「道」。悩んでも、つまずいても前を向くことの大切さを歌ったデビュー曲を演奏したバンドは、解散を一つの通過点として、それぞれの道を進んでいく。

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