上方落語の象徴で人間国宝の桂米朝(かつら・べいちょう=本名・中川清)さんが19日、肺炎のため尼崎市内の病院で死去した。享年89。

 落語界の重鎮の死を悼み、笑福亭仁鶴(78)と桂文枝(71)がそれぞれコメントを発表した。

◇笑福亭仁鶴
 噺(はなし)のネタをいくつか教えていただいて、稽古をつけていただいて、落語のことをいろいろと教えていただいた師匠です。誠に残念です。ご冥福をお祈り致します。

◇桂文枝
 米朝師匠の訃報に接し、いま言葉が見つかりません。入門してからずっとお世話になりました。師匠に教えていただいた「二人癖」を始めいろんなネタ、思い出がありすぎて整理がつきません。
 繁昌亭に書いていただいた「楽」の文字。私自身も「初心忘れず」の言葉を始め、たくさんの色紙をいただきました。
 60歳になった時に「師匠、還暦になりました」と言いましたら「噺家としたらこれからやがな頑張らんと」とおっしゃっていただいたから協会会長として今日まで頑張ってこれたと思います。
 協会会館に車椅子で見に来ていただいたこと談志師匠と和解の宴に出ていただいたこと、最後にお会いした日、生涯忘れることはありません。
 本当にありがとうございました。想い出と感謝の言葉がたくさんありすぎて収拾がつきません。ご一門さまの哀しみもいかばかりか。
 とにかく、いま、ただただご冥福を祈って、合掌するのみでございます。