歌手のASKA元被告(57=本名・宮崎重明)が19日、検察側証人として東京地裁で開かれた公判に出廷。ついたてをはさみながらも、覚醒剤などを売り渡した罪に問われた暴力団幹部と“直接対決”となった――。
 
 この日、ASKAに違法薬物を売ったとして覚醒剤取締法違反などの罪に問われている指定暴力団住吉会系組幹部の安成貴彦被告(47)の公判が開かれた。
 
 安成被告はASKAの供述がきっかけで逮捕された。ただASKAと安成被告の間に面識はない。
 
 同じく逮捕・起訴された密売人の男性(一審で懲役3年の実刑判決、控訴中)が安成被告から覚醒剤などを調達、それをASKAに売買していたというのが、事件の構図だ。 
 
 安成被告は一貫して無罪を主張しており、ASKAの証言は大きな意味を持つとみられている。
 
 安成被告や傍聴席から姿が見えないように、ついたてで“完全防御”されたASKAはまず宣誓し「証人、宮崎重明です」と名乗って、証人尋問は開始された。
 
 証言の核心は、密売人が安成被告から調達していたということを、ASKAが知っていたのか?ということ。これに関する検察側の質問に対し「(調達先は)知っていました。…えー、ヤスナリという人物だと思います」
 
 さらに「うちで(密売人から)受け渡している時に、毎回のように電話が掛かってきて、『ヤスナリ』というのが毎回のように出てきたから覚えている」「お茶などを用意している時に『ヤスナリ』という名前が出てきた」などと証言した。ASKAの口から「覚醒剤を1日3回使用していた」などと生々しい証言も飛び出した。
 
 公判中、ASKAの姿は見えなかったものの、ハッキリした声で答えていた。