2010年10月に覚醒剤取締法違反などで逮捕され、昨年7月に出所した元お笑いタレントの田代まさし(58)が18日、都内で著書「マーシーの薬物リハビリ日記」の発売イベントを行った。

 イベント前には出所報告会見として、報道陣の前に約5年ぶりに登場。表情は硬く、ややロレツも回っていなかったが、強い口調で「クスリをやっているわけじゃない。僕はクスリをやっていると、手の震えや滑舌がよくなります。もともと緊張しいなので。今もすごく緊張しています」。

 この日の有料トークイベントはソールドアウト。客観的に見れば、タレントとして本格的な芸能界復帰に思えるのだが、本人は違うという。

「それは僕の本意ではありません。今は芸能界へ復帰したいという思いはない。戻りたいとかではなくて、クスリをやめ続けていく姿を見せていくことで何かにつながれば。薬物に手を出しそうな人の歯止め、薬物で苦しんでいる人の励みになれたらと思って本を出しました」

 現在は薬物依存症リハビリ施設「日本ダルク」のスタッフとして働き、薬物の恐ろしさを訴える講演会も行うが、タレント復帰ではないらしい。だが、現実は厳しい。テレビ局関係者は「田代まさしの名で有料イベントを開いているのに…。ダルクのスタッフとして働いているといっても、支払われる給料は交通費で飛んでしまうぐらい微々たるもの。今後を考えれば、別に何かしらの仕事をしなければならない。有名人だから一般的な仕事は厳しいし、芸能界で稼ぐしかないでしょうね」とみる。

 この日のイベント「田代まさしのごめんねトークライブ」は1800円。第2部で「芸能界と薬物」を語ったのだからタレント活動だろう。田代本人は「芸能人専用のダルクを作りたい」とも明かしたが、前出のテレビ局関係者は「芸能活動再開を宣言すれば、マスコミに再び追われる。警戒して一般人を強調したのかもしれないが、虫が良すぎる」とバッサリだった。