使える「クラシック知識」満載

2012年09月17日 18時00分

【ヒット本取扱説明書】「聴かなくても語れるクラシック」(中川右介著、日経プレミアシリーズ、893円)

 クラシックに関する知識なんか持っていなくても世の中、平穏無事に過ごせます。最近の若者と楽しく話したいなら、ベートーベンやモーツァルトといった偉大な作曲家の顔よりも、AKB48のメンバーの顔を覚えた方が良いでしょう。しかし、この本の筆者は「クラシックを知っているとデキる人に見える」と言います。なぜ?

 答えは簡単。日本にはクラシック音楽のファンが数百万人しかいない少数派なので、希少価値が高いから。しかも、クラシック好きには高学歴・高収入の人が多いため、ビジネスシーンで偉い人に会う際に役に立つ(かもしれない)というわけです。

 本書は「なぜクラシックと呼ばれるのか」「何を聴けばいいのか」といった初心者のつまずきそうな箇所を先回りして、使える“知識”だけを授けてくれます。また、音楽の授業では出てこなかった面白エピソードも豊富です。モーツァルトは貴族主催の演奏会が全盛の時代に、自分で演奏会の会場を押さえて予約を募り、最初の自主興行を実施した人物であり、ベートーベンは金を得るために楽譜に「○○伯爵へ献呈」と勝手に印刷したというのは、実にびっくりです。

 巻末には「これだけは知っておきたい、30人の音楽家たち」「聴いていないと恥ずかしいクラシックCD20枚」という豪華付録つき。聴かなくてもいいとはいえ、やっぱり聴かなきゃ分からないこともありますよね。