たかじんさん番組 異例の「全局一斉冠外し」

2015年03月11日 07時20分

番組タイトルから冠が外されることになった故やしきたかじんさん

 関西テレビは9日、昨年1月に死去した歌手・やしきたかじんさん(享年64)の冠番組「たかじん胸いっぱい」(関西ローカル)を3月いっぱいでタイトル変更すると発表した。たかじんさんの番組を放送している残りの2局も冠を外す方向で話を進めている。これには、たかじんさんの闘病生活を描いた作家・百田尚樹氏(59)の著書「殉愛」の騒動が影響しているとみられる。

 4月から放送される新番組のタイトルは「胸いっぱいサミット!」(毎週土曜正午、関西ローカル)に決定。番組担当者は「今年1月3日に一周忌の特番が無事に放送終了した段階で、次へのステップアップにしようとリニューアルの話になった」と経緯を説明した。

 セットを一新し、飾ってあったたかじんさんの写真の扱いは「調整中」(番組担当者)だが、冠がなくなる以上は外されるのが当然の流れか。番組の内容や出演者については「たかじんスピリットは変えない」と変更せず、“たかじん”の冠を外すだけになりそうだ。

 たかじんさんの冠番組を放送する他の2局も同じ流れになりそうだ。関係者の話を総合すると、現在も高視聴率を維持している読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」も近日中に冠外しを発表するという。

 テレビ大阪の「たかじんNOマネーBLACK」も、11日の改編会見で冠を外すことを発表する見通しだ。在阪テレビ局関係者は「“殉愛騒動”が全てを引き起こした」と、百田氏がたかじんさんの妻・さくらさんを中心に描いた「殉愛」が、異例の“全局同時冠外しの原因”だとした。

「殉愛」をめぐっては、たかじんさんの長女が版元の幻冬舎に出版差し止めなどを求めて提訴。さらにさくらさんも、たかじんさんの弟子で同書を批判した打越元久氏と知人のAさんに対し、損害賠償を求めて訴えるなど泥沼の法廷闘争になっている。

「『殉愛』の出版以降、冠番組を継続することについて批判する視聴者が増えた。冠を付け続けるメリットはなくなり、どの局もXデーを検討。4月の改編で外すことになった」(同)

 たかじんさんの映像に関する権利は、すべてさくらさんに帰属。番組のタイトルに“たかじん”という冠を付け続けると放送1回につき、さくらさんに約30万円の“冠料”が支払われると噂されていた。関西テレビ関係者は「冠を外すことについて、さくらさんの了承は頂いている」と話す。

 一方で、別の関係者は「少しでもたかじんさんの映像が映ったら使用料を請求してくるので、今後は特別な日以外、たかじんさんの映像は、ほとんど流れなくなると思う」と語った。「胸いっぱい」では、たかじんさんが愛用して現在も番組進行に使われている指し棒に、たかじんさんの似顔絵のシールが死去後も貼ってある。しかしリニューアルにあたり、このシールもなくすという徹底ぶりだ。

 前出の関係者は「たかじんさんのことを好きな人は多いから名前はたくさん出てくるけど、写真や映像が出ることは、めったになくなるでしょうね」と寂しげ。本紙が昨年12月24日付で報じた「冠番組消滅危機」。関西のお茶の間に愛されたたかじんさんの名を冠した番組が、とうとうなくなってしまいそうだ。