21日にすい臓がんのため死去した歌舞伎俳優の坂東三津五郎(本名・守田寿=もりたひさし、享年59)さんの葬儀・告別式が25日、東京・青山葬儀所で営まれ、歌舞伎界をはじめ、山田洋次監督(83)、SMAP木村拓哉(42)など約5000人が参列した。

 悲しみに暮れる別れの場で、盟友の尾上菊五郎(72)がウイットに富んだ異例の弔辞を読んだ。

「あなたは『姫路城が好きだ、彦根城が好きだ』と言っていたけど、ホステス嬢やキャバクラ嬢も好きでした」。城郭マニアの趣味と女性好きの一面をかけてみせた上で「どうか向こうの世界のネオン街で、いい店を探しておいてください」とユーモアを交えて天国に呼びかけた。

 喪主を務めた長男で歌舞伎役者の坂東巳之助(25)も「(芸に対する)真面目さはどこにいったのだろうと思うくらい自由な人。(三津五郎さんの)スイッチのオン・オフがはっきりした性格のおかげで楽しい思いをした」と豪快だった父に思いをはせた。

 離婚した元妻の元宝塚女優・寿ひずる(60)と元フジテレビアナウンサー・近藤サト(46)は参列しなかったとみられる。

「寿は、三津五郎さんが亡くなる2日前に病室で対面しているけど、長い間会っていなかった。離婚後は一線を引いていましたからね」(演劇関係者)。病室で最期の別れをしたため、この日列席しなかったようだ。

 不倫・略奪婚の末、離婚した近藤は“親心”から参列を見送ったといわれる。どういうことなのか?

「近藤は三津五郎さんとの間に子供を望んだけど、三津五郎さんや一族に反対された。それで近藤から別れを告げた。自分から出ていった手前、参列できなかったのでしょう。この葬儀はある意味、今後、巳之助が坂東(大和屋)の看板を背負うという“お披露目式”。籍も入っていない前妻として参列したら、それを潰してしまう。近藤は巳之助と血縁はないけど、ある意味“親心”を見せたのでは」と前出関係者は話した。