“声優のアイコ”こと神いっき被告(30)の第3回公判が25日、東京地裁で行われた。

 性同一性障害の神被告は普段は男性の姿で生活し、犯行時だけ“女装”姿で男性に近づき睡眠薬入りの酒を飲ませて金品を奪ったとしてこれまで4件で立件され、昏睡強盗の罪に問われている。

 この日は2013年12月12日午前3時前、男性(47)を昏睡させ、金品を奪った件が扱われた。

 神被告は東京・目黒のラブホテル前で男性に「ホテルでマッコリを飲みたい」と声をかけ、立ち寄ったコンビニで購入した栄養ドリンクに睡眠薬を混ぜて男性に飲ませてチェックイン。男性を昏睡させ現金5万円、6000円分の商品券、腕時計、男性宅の鍵など総額40万円相当を奪った上、男性をホテルに残し奪った鍵で男性の自宅に侵入し、男性の妻の財布から現金1万2000円を窃取した疑い。翌日、男性は妻とともに被害届を提出している。

 刈り上げ頭にグレーのスエットの上下で出廷した神被告は「えっ、これは全く身に覚えのないことです」とこれまでと同じく容疑を全面否認。ももの間で両手のひらをすり合わせてうつむいたり、あくびをかみ殺したり、頬づえをついてみたりと終始“心ここにあらず”といった様子だった。

 だが、検察が「普段は髪を短くし男性の姿で生活しながら…」と起訴状を読み上げた時だけは「はっ!? 違うし」と顔をしかめて不満を漏らした。