長男・巳之助 坂東三津五郎さん最後の様子を語る

2015年02月23日 15時39分

 21日に死去した歌舞伎俳優・坂東三津五郎さんの長男・巳之助(25)が23日、東京・中央区の歌舞伎座で報道陣の取材に応えた。

 巳之助は20日午後9時30分ごろ、公演のあった大阪から病院に駆けつけたという。「父が待っていてくれたのかなと。本当に安らかで、眠るように息を引き取った。父へ感謝の気持ちをかけながら見送りました」と言葉をかみしめた。

 最後の会話については「お芝居がどうこうじゃなく、覚えていないぐらい何の変哲もない親子の会話でしたね。父はオンとオフがはっきりしていて、オンは師匠と弟子ですけど、オフの時は普通の父と子。面白い人だったし、くだらないことも言ってたし、楽しい人でした」と振り返った。

 三津五郎さんの病状が急変したのは1月下旬。「59歳の誕生日(1月23日)を迎えて、数日でバタバタと体調が悪くなって入院した。(医師から)余命という話はなかったが、外に出られない状況でもあったので、悟っているというか、本人は覚悟を決めているように感じました」という。

 すい臟のがんが肺に転移していたことは「本人も分かっていた」と、病状についてはすべて告知されていたことを明かした。ただ、周囲には弱音を吐かず気丈に振る舞っていたといい、「そういうプライドがある、強い人で常に役者でいた」。その一方で「守田寿(本名)は我々しか知らないし、我々の心に残しておきたい」とも話した。

 役者でありながら“お城マニア”で学者気質だったという。師匠としての姿も「厳しくもありましたけど、ダメ出しも具体的で分かりやすかった。感情が高ぶることは一切なかったので、言うことは的確で分かりやすかった。師匠としてこれ以上のことはなかったですね」。

 出棺時にひつぎに入れる物を問われると、「お城の本を入れてあげようかなと思ってます」と笑顔を見せた。

 また、三津五郎さんの元妻で女優の寿ひずる(60)とは、病床で「最後の対面」を果たしていたことも明らかになった。

 2月17日に容体が悪化した際、寿から「顔を見たい」という連絡があったといい、三津五郎さんも「いいよ」と受け入れたため、同19日に次女が結婚報告する際、病室で再会したという。

「父は『本当におめでとう』と姉と義理の兄に言ってくれて、久しぶりに家族で写真を撮ることができました」と明かした巳之助。「59年間好きなこともやりつつ、支えられて与えられた使命に正面から向き合った。息を引き取った際に、お疲れさまでした、ありがとうございましたと言いました」と最後まで気丈に話した。

 24日に親族のみで密葬を行い、葬儀・告別式は25日午後3時から東京・港区の青山葬儀所で行われる。