たかじんさん「殉愛」裁判 最優先は勝敗より事実の認定

2015年02月22日 08時00分

 昨年1月に亡くなったタレント・やしきたかじんさん(享年64)の長女が、たかじんさんの闘病生活を描いた作家・百田尚樹氏(58)の著書「殉愛」のなかで名誉を傷つけられたとして、発行元の幻冬舎に出版差し止めなどを求めた民事訴訟の第2回口頭弁論が20日、東京地裁で開かれた。


 昨年11月に出版された同書では、たかじんさんの妻さくらさんの献身的な看病が描かれる一方で、長女に対しては「会えば金を無心する」など親子の確執が断定的に記されていた。


 この日の法廷には原告、被告双方の代理人のみが出席。前回認否を留保していた幻冬舎側は全面的に争う姿勢を示した。


 問題となっているのは主に「プライバシー侵害」と「名誉毀損」だ。原告の的場徹弁護士によると、被告はプライバシー侵害について「たかじんさんの娘は公人。よって侵害には当たらない」と主張。名誉毀損部分は「百田氏が関係者40人以上、300時間以上かけて取材したものであり、本の中身は事実。従って名誉毀損ではない」という言い分だったという。


「事実だから名誉毀損ではない」とは、かなりムリがある気もするが、被告側は大マジ。事情を知る関係者は「プライバシー侵害の部分は正直ああ言うしかなく、厳しいかもしれない。ただ名誉毀損については本の内容が真実と証明できる材料がある。たかじんさんのメールや録音テープ、複数の証人も確保している。あえて本に書かなかった爆弾情報もある。そこは徹底的に争う」と言う。


 幻冬舎側が最優先に考えているのは、裁判の勝敗や賠償金の軽減ではなく、ネット上のデマなどで失墜した同書の汚名返上。出版社としての信用問題にも関わってくるからだ。


 前出関係者は「極端なことを言えば、本の大部分が真実と認められればそれでいい。『事実だけど名誉毀損に当たる』という判決が出ても、それは“勝負に勝って試合に負けた”ようなものだ」と話す。次回弁論は4月17日に開かれる。