中高年をアツくする“杉良太郎の正直エピソード”

2015年02月23日 10時30分

杉良太郎

「忘れかけていたものを思い出させてくれる」と中高年男性の間で評判の本がある。昨年、デビュー50周年を迎えた杉良太郎が自らの人生を振り返った「媚びない力」(NHK出版新書)だ。

 流し目スターと呼ばれ、マダムたちをトリコにする“いい男”というイメージがあるかもしれないが、実はまっすぐにしか生きられない、正直すぎて、本気すぎる男…。働く男をアツくする強烈なエピソードがいくつも並んでいる。

 例えば、杉は日常のありとあらゆる場面で感覚を研ぎ澄ます訓練を行う。歩くときはいかに音を立てずに歩くか。電車に乗れば読書をしている人を5秒でこちらに顔を向けさせようと念じてみる。夜、どんなに酒を飲んでいるときでも、少しふすまが開いただけでも覚めるよう、緊張感を保っているという。

 非常識なほどいちずに真剣に物事に向き合うからこそ、時に「生意気」「完璧主義者」とささやかれたこともある。しかし、人気絶頂期にテレビ出演休業宣言をしたのも、生ぬるいテレビ界にいては自分が成長しないと悟ったから。人生に熱心すぎるだけなのだ。

 こんな杉だから何かを極めようと非常識なほどにまい進した人間には激しく共感する。ゴッホの墓を訪れたとき、気がついたら墓の前に横たわり、地中に話しかけていたというから驚きだ。

“まっすぐさ”は福祉活動にも向かった。一時、売名行為などと叩かれたが、海外でチャリティー公演をするために杉は億単位の借金を背負ったことも…。とにかく、自らやろうと思ったことには一直線。金に関しても「生きている間に誰にいくら使ったかが大事」だと考えているという。

 こんなエピソードも載っている。車に凝っていたとき、若気の至りで高級車を3台同時に買った。しかし、思い直した杉は半年後、すべて売って中古車に乗り換えた。わざわざ中古車を買うなら1台残しておけばいいものの、「その精神がダメ」だと考えたのだ。

 本が発売されて以来、知られざる杉の真実に驚きの声が上がる一方、「イマドキこんな人がいるんだ…」「俺も頑張らなきゃ」と背中を押された男性も多い。薄っぺらい理論ばかりのコンサルタントの話や自己啓発書を読むなら、杉の生きざまに触れてみるのもいいかもしれない。