ド派手ヘアで知られる直木賞作家・志茂田景樹氏(74)の次男で“カリスマタクシードライバー”の異名を持つタレント・下田大気氏(ひろき=38)が、政界を目指すことが明らかになった。本紙の独占直撃に、春の統一地方選で、地元である東京・武蔵野市の市議選(4月19日告示、26日投開票)に立候補することを表明したもの。「過去の黒いスキャンダル」「親の七光」の批判も上等――。新人候補は“父子鷹”で市政に乗り込む決意を激白した。

 下田氏はかつて“ドラ息子”と呼ばれた。自己破産も経験した。だが、2009年にタクシー運転手に転身し、年収800万円を稼ぐほど大成功。華麗なる転身を果たした。

 そんな中、今年1月に入り、意味深な情報が駆け巡った。いわく「ハンドルをマイクに持ち替えた」――。

 真相を確かめるべく本紙は2月のある日朝8時、東京・武蔵野市のJR武蔵境駅前で寒空の下、父を従え、声を張り上げて街頭演説する同氏を直撃した。

 ――武蔵野市議選に出馬すると聞いた

 下田氏:決意したのは1年前くらいからです。“カリスマタクシードライバー”としてやらせていただいた仕事も、落ち着いてきた。武蔵野市に生まれ、住み、38年。これからは、今まで助けてもらった武蔵野市民の皆さまのためにやっていかなきゃと思いました!

 ――父として息子の決断はどう思った

 志茂田氏:僕は本人がやりたいことをやればいいという主義です。僕自身は両親に干渉され、溺愛されて育った。小学生の遠足で井の頭公園(武蔵野市)に行った時、両親がついてきてね(笑い)。内心は恥ずかしかった。だから僕は、自分の子供は自由にすればいいんじゃないかと思っています。

 ――公約は

 下田氏:京都府警がタクシーと手を組んで、ご老人が徘徊していたら保護する取り組みを始めた。それを武蔵野市でやりたいですね。あとは芸能界の経験を生かし、市公認のアイドルを作ってプロデュースしたい。

 志茂田氏:告示されたら僕もフル回転で応援しようかなと思います。

 ――政党から公認を得る手もあったのでは

 下田氏:例えば民主党から公認をいただければ、市議候補レベルだと公認料として250万円ほどいただける。それを選挙活動費に充てることもできる。でも、組織に入るとやりたいことができなくなる。それに、良くも悪くも“過去”があります。

 ――悪い“過去”とは

 下田氏:もう10年以上前ですが、裏カジノに出入りしたり、傷害事件で捕まったりしました。だから、政党としてもちょっと…と遠慮するのかもしれない。

 ――その経歴は有権者から罵声を浴びかねない

 下田氏:街頭演説でいずれ罵声をいただくこともあると思う。でも今はクリーン。もともと悪口を言われても、右から左に受け流せる性格ですから。

 志茂田氏:罵声も有権者として一つの反応。批判が出てくれば「しめた」と思うくらいがいい。

 ――父親の力は

 下田氏:最大限、武器にしていこうかなと思います。「志茂田景樹の息子」とたすきをかけて、自転車に乗って町をくまなく回ろうと。

 ――それも批判されかねないのでは

 下田氏:無所属で支援者もいない。だから、それくらいしないと本当に勝てないと思います!

 ――定数は26。勝算は

 下田氏:40人くらいの立候補を予想しています。勝算は、今は半々。

 ――昨年、安倍内閣で大臣が問題視された“うちわ”や“ワイン”は

 下田氏:ええ(苦笑)。公職選挙法に気をつけて、引っかからないようにやります!

☆しもだ・ひろき=1976年8月12日、東京・武蔵野市生まれ。作家・志茂田景樹氏の次男。明星高校卒。高校時代に矢沢永吉の主演ドラマ「アリよさらば」(TBS系)で俳優デビュー。飲食店や芸能事務所の経営に挑戦するも、失敗し廃業。タクシー運転手になり、業界トップレベルの年収800万円を荒稼ぎし「カリスマ」の称号を手にした。今年1月に政治団体を結成した。