不気味に成長する「謎の人面石像」の正体

2015年02月15日 09時00分

静かな川べりに出現した謎めいた石像

 真田幸村ゆかりの地・長野県上田市を流れる千曲川の河川敷に謎の“人面石像”が出現し、大騒動になっている。誰が、なんのために、どうやって? すべてが不可解な石像をめぐり、地元では様々な説が飛び交っている。本紙も現地に飛んで取材を進めると、アニメキャラ説から水害への警告、UFOの仕業、巨人説などなど、諸説ささやかれていることがわかった。現場は国有地のため撤去されてしまいそうだが、その運命はいかに――。

 JR上田駅から歩いて約10分。千曲川の河川敷に謎の石像が現れる。高さ約2メートルの顔が、地面から“生えて”大小2本の刀を背負っているのが特徴だ。

 先月末に全国紙が報じたのを皮切りに、各メディアが取り上げて話題になった。本紙は12日に現地に飛んだが、平日にもかかわらず長野ナンバーの車がひっきりなしに訪れる人気スポットになっていた。

 現場は毎年4~10月に店を出す川魚飲食店「鯉西」に隣接する。同店の社長(49)は「初めて見つけたのは2011年の4月。今の顔より、もっと鬼のような顔面だった。だんだんとセメントと石で“進化”していった」と振り返る。

 約4年の間に一度も作業風景は目撃されていない。誰が、いつ制作していたのだろうか。造った理由もさっぱり分からない。


「数年前は出稼ぎ外国人が多くいた。ブラジル人の墓じゃないかと言われてたけど、違うみたいだね」(同社長)

 市民らへ取材を進めると、いくつかの“石像誕生仮説”が浮上した。本命は「アニメ・漫画のキャラ」説だ。確かにいくつかのキャラを模しているようにも見える。

「4つの星が入った玉を龍がつかんでいる」絵が像に描かれているが、これは人気漫画「ドラゴンボール」の「神龍」に違いなさそう。石像の顔もなんとなく「孫悟空」に似ている。

 ほかに「北斗の拳」の「ケンシロウ」や、「ビックリマン」のアニメや漫画に登場する「ヘッドロココ」ではないかという声も。本紙がイチ押しするのは漫画「ベルセルク」の主人公「ガッツ」だが…。

 実は、石像から数十メートル先に不気味なお面のような顔が彫られた卵形の石(30×20センチ)が転がっていた。

「像が現れる前から顔があった」(前出の飲食店社長)。それが「ベルセルク」に出てくるアイテム「ベヘリット(覇王の卵)」にソックリなのである。石像が背負う大剣もガッツのものに似ている。これは何かの偶然だろうか。

 一方、同じアニメキャラでも「戦国BASARA」の「真田幸村」という声も浮上している。

 そもそも上田市は戦国武将、真田幸村の出生地だ。堺雅人扮する幸村を主人公とするNHK大河ドラマ「真田丸」も来年の放送を控えており、信州上田はいま真田一色なのだ。

 キャラが身に着けている首飾りも「戦国BASARA」の真田幸村と一致する。だが、剣については「幸村を象徴する武器は徳川家康をひるませた朱槍。刀ではない」という意見も聞かれる。

 さらには、現場が川べりであることから「水害警告説」も。石像が11年、東日本大震災の直後から目撃されたことがカギとなる。「川は30年で15回は水位が上がった」(同)。水があふれ出た位置が像の建てられた場所と一致する。しかも、石像の顔は東北方面を向いている。「川があふれる予兆を警告しているのかも」との声も少なくなかった。

 聞き捨てならない仮説も出てきた。「こんな見晴らしの良い場所で誰にも見つからずに作業するなんて不可能。UFOが上空から像を落っことしたんだよ」。人知を超えた存在による制作物という仰天説だ。

「土の中にはもっとすごいものがある」と話す男性は「顔だけ出てるけど、地面(地中)には体がある。これは巨大な顔ではなく、全長20メートルくらいの巨人なんだ」と指摘。果ては「顔の下には死体が埋まっている。観光モニュメントになれば、撤去されない。完全犯罪の完成だ」とのヤバい見方まで…。

 そんな石像は河川法に抵触している。河川を管理する国土交通省千曲川河川事務所戸倉出張所は「国で強制撤去に向けた具体的検討を始めたところです。撤去? そうです」。

 デートに訪れた高校生カップルは「話題になるから残してほしい。市民は制作者に味方すると思う。何を造っていたか知りたいし、完成を見届けたい」と話していた。制作者が名乗り出るのか、注目だ。

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