たかじん裁判第2弾も 遺産めぐり追加提訴、百田氏のツイッター攻撃も告発へ

2015年01月23日 08時30分

閉廷後、取材に応じた的場弁護士(右)

 やはり泥仕合? 昨年1月に死去したタレントのやしきたかじんさん(享年64)の長女Aさんが、たかじんさんの闘病生活を描いた作家・百田尚樹氏(58)の著書「殉愛」で名誉を傷つけられたとして、発行元の幻冬舎に出版差し止めなどを求めた裁判の第1回口頭弁論が21日、東京地裁で行われた。百田氏がツイッター上で反撃を予告するなど、注目された裁判だったが、被告側は代理人さえも欠席。これに激怒したAさん側はこの裁判とは別に、故人の妻だったさくらさんを相手どり、遺産をめぐる訴訟を起こすことを明かした。

 火種は増える一方だ。

 昨年11月に出版された「殉愛」では、さくらさんの献身的な看病の様子とともに、たかじんさんとAさんの確執や「(Aさんは)会えば金を無心してくる」といった人格にかかわる記述も盛り込まれた。これを受け、Aさんは幻冬舎を相手取り、出版差し止めと損害賠償1100万円を求めて提訴した。

 裁判は“前哨戦”からヒートアップ。さくらさんは複数のメディアで正当性を訴え、百田氏は自身のツイッターで「一番おぞましい人間は誰か、真実はどこにあるか、すべて明らかになる」と予告した。

 ところが、この日出廷したのは原告側代理人のみ。さくらさんはおろか、百田氏も姿を見せなかった。しかも訴状に対する被告側の認否が明らかになっていないため、争点も定まらず。結局、7分程度で閉廷した。

 これに激怒したのが、原告代理人の的場徹弁護士(61)だ。閉廷後、取材に応じ「訴訟提起から2か月もたっているのに、認否も出さないとはどういうことだ。百田も脅すだけ脅して来ない」と猛批判を展開。

 この日提出するはずだったAさんの陳述書によると、親子の確執はなく、むしろ悩んでいる娘のため、たかじんさんが中国・上海まで会いに来ることもあったそうで、Aさんは「父からどれだけ嫌われているかということを書かれ、心をえぐられる思いです」と訴える。

 的場弁護士によると、同書だけでプライバシー侵害14か所、名誉毀損10か所、敬愛追慕の念の侵害が6か所あるという。

 法曹関係者は「長女に取材せず、勝手に本を出版したのなら、事実関係はどうあれ、幻冬舎の分が悪い。負け戦だけに被告側は“牛歩戦術”に出たのだろう」と話す。

 追加の訴訟も検討されている。たかじんさんの遺産をめぐるトラブルだ。遺産の総額は8億~9億円。うち6億円は遺言で大阪市などへの寄付が指示されていたが、それ以外は全額さくらさんが相続した。

 民法上、Aさんも「遺留分」(最低限相続できる財産)として遺産総額の4分の1を受け取る権利を有するが、さくらさんは「娘には一銭もやるな」という趣旨の故人の遺書を盾に支払われていない。さらに、たかじんさんの自宅金庫にあった1億8000万円もさくらさんの懐に入ったとされる。

 的場弁護士は「さくらは、それを遺産ではなく『私に対するコーディネート料』と主張している。意味がわからない。別の場所では『彼と付き合ってから、経営していたネイルサロンを閉めた。1億8000万円はその慰謝料』と話している。主張がコロコロ変わっていて、全く信用できない。金に対する執着はすさまじい」と話す。

 今後、不透明な金の流れを整理する意味でも、Aさんは減殺請求権(法律で定められた遺産の相続分を請求する権利)をめぐり訴訟を起こす考えだという。

 また、百田氏に対しても「ツイッター上で長女を脅し、裁判を受ける権利を阻害した。すでに人権救済を申し立てているが、これから弁護士会に告発することも考えている」(同)。

 都内の大型書店では「殉愛」が“後妻業”関連の特設コーナーに置かれている光景も目にする。深まるばかりの泥沼訴訟を天国のたかじんさんはどう思うのか。